Hit数5000超えました。皆様に感謝の気持ちをこめて記念にフラッシュ作成してみました。 →
こちら
Hit数10000超えました。皆様に感謝の気持ちをこめて記念にフラッシュ作成してみました。 →こちら
開設2年目になりました。これを機会に今の産科の危機に関してのフラッシュ作成しました。 →こちら

誤報(1)のエントリーは11月26日付けです。最初から読む方はカレンダーで11月までたどって26日をクリックすると誤報(1),(2)のエントリーに入れます。あとは順々に日にちをクリックしていってください。

(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
春風(151)
 敏子が墓の方に近づいてきた。敏子と詩織の視線があった。詩織
は静かに敏子に頭を下げた。敏子も詩織に軽く会釈した。「あばあ
ちゃん。」春華は敏子の元に駆け寄っていった。「あらあら、春華も
きていたのね。」敏子はそういうと春華を抱き上げた。「お義母さん。
どうもご無沙汰しています。」「ええ、そうね。詩織さんも忙しそう
だし仕方がないわよ。小さい子供をかかえて大変でしょう。」「ええ
まあ、そうですね。でも実家の母もよく見にきてくれていますし
なんとかやっています。」「そう.......。」敏子は春華を抱いたまま
墓の方を向いてつぶやいた。「はやいものね。もうあれから3年が
経ってしまったのね。」「ええ、今日が悟さんの3回目の命日ですから
.......。」「あなたも本当によくやってくれているわ.....。女手
一つでこの子を育てていくのは大変なことよ......。」「ええ、でも
この子が今は私の心の支えですから........。」「全く、悟もなにも
死にいそぐ必要もなかったのに...。死んだしまったら何も無くな
ってしまうんだから.......。」詩織は言った。「そんなことはない
ですよ。悟さんは確かに死んでしまったけど、私の心の中で生きて
いますから....。あの人はいつでも私たちの傍で見守ってくれて
いると信じていますから.....。それにあの人は私に一番の宝物を
残してくれました。この子を授かって、この子を育ててきて私も
日々育てられているんです。この子ができて、お義母さんがどれ
だけ悟さんを愛していたか、好きだったか解るようになりました。
お義母さんの悟さんを失った悲しみの深さもわかるような気がし
ます。私も本当に生きていられないんではないかと思いましたけ
ど、多分お義母さんの悲しみの方が大きかったんではないかと思
います.......。私もこの子がいなくなったら生きていけないかも
しれないと思います........。」「詩織さん......。」「一回、流産
して、この子をそれこそ命を削る思いで産んで.....。そして一番
傍にいて欲しかった人を失って.....。悲しみは深かったけど、こ
の子と元気でいられることのありがたさや尊さ、そして大変な時に
助けてくださった周りの人のありがたさが身にしみてわかるよう
になりました。これからもしっかりやっていくつもりです。悟さん
に笑われないようにしないといけませんから..........。」敏子は
詩織の言葉を聞いて、墓の方を見て春華を抱きながら黙って少し
涙ぐんでいた。柔らかな日差しの中、3人を暖穏やかな春風が吹き
抜けていった。

(春風 終わり)

スポンサーサイト
【2006/11/24 23:52】 春風 | トラックバック(0) | コメント(4) |
春風(150)
 悟の死から3年が経ったある春の日、詩織は悟の墓参りに娘と
きていた。やわらかい日差しの中、詩織は花と水桶を持ち、娘と
篠崎家の墓の前に立った。娘は言った。「お母さん。お父さん
ここに眠っているの?」詩織は言った。「そうね。お父さんは
いつも春華とお母さんの傍で見守ってくれているんだけど、
お家はここになるのよ。ここには春華のお父さんもそうだけど
ほかのご先祖様も住んでいて必要なときに私たちの傍にきてく
れて守ってくれるのよ。」「どうしてお父さんは春華とお母さん
といっしょにいられないの?」「そうね.....。お父さんも本当は
お母さんと春華と一緒に暮らしたかったんだと思うんだけど、
お父さんはいい人だったから神様がそばに来て欲しかったのか
もしれないね.......。どうしていっしょにいられないのか
っていうことは春華がもう少し大きくなって色々な事がわかる
ようになったらおかあさんがきちんと教えてあげるわ.....。」
「そうなんだ....。でもお父さんに会いたいな.....。」春華は
そう言って黙った。
 お墓の周りを清掃して花と線香をあげ詩織は墓に向かって手
をあわせた。「あなた。春華も3歳になりました。時が経つのは
早いですね。この秋にはもう七五三よ。この子の七五三のお着
物姿見せたかったわ.....。」色々な思いが詩織の心をよぎった。
 思いかえせば精一杯の3年間だった。悟の死から詩織は友代に
出てきてもらい、子育てを助けてもらいながら勤めをつづけた。
 ともかく1日1日とどうやりくりしてくのかで精一杯の状態だ
った。何度も悟が傍にいてくれればという気持ちになったり、
くじけそうになったりすることもあったが、あどけない顔で
自分の足にしがみつく娘の姿をみていてはくじけていられな
かった。幸いにも春華は大きな病気をすることもなく元気に
育ってくれていた。「お母さん。春華、上手にお参りできたで
しょう?」無邪気に問いかける娘に詩織は言った。「そうね、
上手にお参りできたわね。お父さん、きっとよろこんでいる
わよ。春華もずいぶんお姉ちゃんになったねってね......。」
 詩織はそういって春華に微笑んだ。ふと見上げた視線の先
に詩織は遠くからこちらに歩いて向かってくる敏子の姿を認
めた。

(次回につづく)

 長々と続けた春風も次回で最終回の予定です。どうも忙しい
時期に重なって描ききれなかった部分もありましたがなんとか
ここまで書いてきました。ここまでこれたのも読者の皆様のお
かげだとおもいます。引き続きよろしくお願いいたします。
【2006/11/23 23:03】 春風 | トラックバック(0) | コメント(0) |
春風(149)
 「わかりました。すぐいきます。」すこし朦朧としながら
私は電話を切った。眠い目をこすり重たい体を起こす。少し
ふらふらする感じがあったがそれを気にしている暇はなか
った。あわてて身なりを整えてから医局から出て霊安室に
向かう。時計を見ると6時を少し回っていた。霊安室の前
で少し私は息を整えた。静かに霊安室のドアをノックして
ドアを開けるとご家族が無言でご遺体を前に並んで
いた。ご遺体が霊安室に安置され、祭壇に火がともされ
ていた。私はご家族に一礼をした。ご家族も無言で頭を
下げた。「ご焼香させていただきます。」私は一言そう
いって霊安室の祭壇で焼香をあげ、祭壇と遺体に手をあ
わせて一礼した。先に来ていた看護師も私にしたがって
焼香をあげご家族に一礼した。私達が焼香を終えたのを
見計らって葬儀社の業者が「それではご遺体を車の方に
移動させていただきますので....。」と言った。私と
業者とご家族の手で遺体は業者のストレッチャーに乗せ
られた。ストレッチャーに乗せられたご遺体はご家族に
囲まれて車に運ばれた。寝台車の後部のハッチが閉じら
れた。一同が静かに手を合わせ車に向かって一礼した。
「それではご遺体をお預からせていただきますので...
..。」業者は私に向かって言った。「よろしくお願い
します。」と私は答えた。司郎が私の方に近づいて言
った。「本当に色々有難うございました。先生には本当
にお世話になって.....。」「いえ、そんなことないで
す。本当はなんとか助けたかったんですが...。力及ばず
で.....。」「いえ、一生懸命やっていただいて本当に
感謝しています。本当に有難うございました......。」
 司郎はそういうと私に深々と頭を下げた。

 私は寝台車が病院の裏門をでていくのを頭を下げて
見送った。緊急手術からここ数日の必死の努力にもかか
わらず患者さんは亡くなってしまった。ご家族の悲しみ
に比べれは比ではないが、無力さと悔しさが少なからず
私の胸に渦巻き空しい思いが心をよぎった。

(次回につづく)

帰りが遅くなり日にちが変わっての更新になりました。
物語もそろそろ終盤になります。引き続きよろしくお願い
します。
【2006/11/22 00:05】 春風 | トラックバック(0) | コメント(2) |
next→
藪医者の独り言


ここに記載されたエピソードは著者の体験をもとに構成したフィクションです。 このページはリンクフリーです。気に入ったら適当にリンクを貼っていただいて結構です。


CALENDER
07 | 2017/08 | 09
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
掲示板(気軽に書き込みお願いします)
RECENT ENTRIES
  • 芝桜の咲く丘(23)(05/25)
  • 芝桜の咲く丘(22)(05/20)
  • 芝桜の咲く丘(21)(05/18)
  • 芝桜の咲く丘(20)(05/15)
  • 芝桜の咲く丘(19)(05/11)
  • RECENT COMMENTS
  • nakano(05/03)
  • (04/30)
  • nakano(04/13)
  • (04/13)
  • KITA(02/01)
  • nakano(05/31)
  • タマ(05/28)
  • RECENT TRACKBACKS
  • 健康、病気なし、医者いらず:医師の秘密漏示(05/03)
  • 健康食品の栄養事典:プロタミンとは(02/22)
  • 医薬品のマメ知識:フルオロウラシルのマメ知識(02/20)
  • 体が元気になるならない物質:プロタミン-体が元気になるならない物質(02/17)
  • オヤジの世界:雪中花(01/04)
  • ARCHIVES
  • 2009年05月 (10)
  • 2009年04月 (13)
  • 2008年11月 (1)
  • 2008年09月 (1)
  • 2008年08月 (1)
  • 2007年07月 (6)
  • 2007年06月 (14)
  • 2007年05月 (18)
  • 2007年04月 (20)
  • 2007年03月 (19)
  • 2007年02月 (17)
  • 2007年01月 (22)
  • 2006年12月 (18)
  • 2006年11月 (14)
  • 2006年10月 (16)
  • 2006年09月 (15)
  • 2006年08月 (16)
  • 2006年07月 (13)
  • 2006年06月 (18)
  • 2006年05月 (19)
  • 2006年04月 (19)
  • 2006年03月 (21)
  • 2006年02月 (19)
  • 2006年01月 (22)
  • 2005年12月 (22)
  • 2005年11月 (24)
  • 2005年10月 (23)
  • 2005年09月 (22)
  • 2005年08月 (17)
  • 2005年07月 (22)
  • 2005年06月 (22)
  • 2005年05月 (24)
  • 2005年04月 (25)
  • 2005年03月 (26)
  • 2005年02月 (9)
  • CATEGORY
  • 春風 (152)
  • 誤報 (135)
  • 管理人雑感 (11)
  • 帰れない老人達 (3)
  • 医者という仕事 (2)
  • 不条理な結末 (7)
  • ブランド病院を求めて (6)
  • 澄んだ青空 (5)
  • 3月の木漏れ日の中で (6)
  • 雨上がりの虹 (10)
  • 桜 (6)
  • 嘘 (14)
  • 花菖蒲 (25)
  • つかめない藁 (34)
  • 百合の花 (15)
  • 約束 (52)
  • 雪中花 (84)
  • 未分類 (1)
  • 芝桜の咲く丘 (20)
  • LINKS
  • ホームページ情報配信メールマガジン「INTERNET SEEK」
  • プログ リンク&人気ランキング
  • 人気blogランキング
  • SEARCH

    PROFILE
    nakano
  • Author:nakano
  • FC2ブログへようこそ!
  • RSS
  • 上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。