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(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
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雨上がりの虹(10)
 「オヤジーッ!」ご長男が泣き叫んだ。周りの親戚がむせび
泣く。私は脈拍と心拍が停止し、瞳孔が散大したのを確認し
死亡宣告を行った。「6時○○分、良く頑張られましたが
お亡くなりになりました...。」しばらく親族達が落ち着く
のに時間がかかりそうだった。「少しお別れの時間をとって
ください。しばらくしたらご遺体をきれいにさせていただき
ますので..。」私は病室をでた。部屋からむせび泣きの声が
もれてくる。窓の外には朝日と雨上がりの虹がかかっていた。

 数日後、ご長男がご挨拶に来た。「先生、先日はお世話に
なりました。色々ご迷惑をかけて..。」「わざわざご丁寧に
どうも。」「実は、父が急変する前に先生に手紙を書いて
いて、あんなことになってしまったので渡しそびれてしまった
ので...。そのまま捨てる訳にもいかず、先生にお渡しして
おこうと思いまして..。」「そうですか..。」「父も本当に
よくしてもらったと感謝してました。有難うございました。」

 仕方なかったとはいえ、助けることができなかった患者さん
である。手紙を見るのは正直つらかった。人気のないところで
手紙を開いた。気管切開されて話すことができなかった彼は
少し震えた字で手紙を綴っていた。
「突然の急病で生死をさまよいましたが、助けていただいて
本当に有難う。話せないから先生に感謝の言葉もかけられな
いけど感謝しています。食事も少しずつ食べられるように
なって、酸素とのどの管ははずせないのがつらいけど退院の
目処もついてきたし、命あったのだから感謝しなくちゃいけ
ないですよね。退院後も末永く外来で診ていただければと
思います....。」
 人工呼吸器をつながなければならなかった時の彼の「い..
や..だ..。」と文字盤を示しながら私を見た瞳が思い返され
た。あの時は助けられると思っていたのだ。本当に申し訳な
い...。言い様のない辛い思いが胸に押し寄せる。悔しさか
自分の無力さに対する言い様のない怒りかわからなかった。
ただただ溢れてくる涙を止めることができなかった。
 

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【2005/04/07 22:42】 雨上がりの虹 | トラックバック(0) | コメント(3) |
雨上がりの虹(9)
次第に彼の血圧は低下していき、昇圧剤にも反応しなくなって
いった。尿量も減少してきていた。すべての治療を駆使しても
その流れは止められなかった。家族はここ数日交代で泊り込ん
でいた。ご長男とお話して2日目の夜、手術と一通りの病棟業務
を終えた私は夜の11時に彼の様子を病室に覗きにいった。血圧
は昇圧剤を最大限使用しても上が70台であった。尿量は殆どで
なくなっていた。この日はご長男が泊り込んでいた。「ご苦
労様です。」横になっていたご長男が私が入ってきたことに気
づいて起き上がり声をかけてきた。「すいません。起こしてし
まいましたか。」「大丈夫です。」彼は答えた。「いかがで
すか父の状態は..。」「あまりいい状態とはいえません。
明日一杯もってくれるかというところです。一杯一杯に近い
状態ですね....。」「そうですか..。」「なにかあれば私は
またすぐに参りますので。」「解りました。宜しくお願いし
ます。」病院を11時半過ぎにでる。自宅に戻るときには日付
が変わっていた。翌朝の朝5時半頃、病院から私の自宅に電話
がかかってきた。「先生、○○さんの脈拍が落ちてきていま
す。すぐ来ていただけますか?」慌しく身支度を整え、土砂
降りの雨の中、タクシーを捕まえて病院に急行した。
 ロッカーで急いで白衣に着替え、病棟に急行する。
 看護師に声をかける。「○○さんの状態はどうですか?」
「モニター上はQRS波が伸びてきていて脈拍は30位です血圧は
もう測定できません。」彼の病室に向かう。当直の先生が私
が到着するまでの対応をしてくれていた。すでに大勢の親戚
が到着し周りで成り行きを見守っていた。私が到着して程な
くモニターの心電図の波形が停止し、彼の心臓が停止したこと
を示した。
(次回につづく)
【2005/04/06 00:00】 雨上がりの虹 | トラックバック(0) | コメント(0) |
雨上がりの虹(8)
治療に対して反応は芳しくなかった。次第に肺の機能が低下し
血液中の酸素分圧を酸素を上げていっても維持できなくなってく
る。人工呼吸器を再度装着してから2日が経ち、3日が経過した。
酸素濃度を80%まで上げても充分な血中酸素分圧が保てなくな
ってきていた。次第に血圧が低下してきていた。治療は限界に
達しつつあった。手術が終わってすでに1ヶ月近くが経過する。
 この一ヶ月、付き添ってきたご家族の気持ちを考えると今まで
の治療が無駄に終わる可能性が高いことを話さなければいけない
のは非常に心苦しかった。だがもうあまり時間がないことは明確
であった。私はご長男をお呼びした。
「色々治療を行ってきましたが、ここ数日の経過はあまり芳
しいものではありません。酸素濃度を上げていっても充分な
血液中の酸素分圧を保てなくなってきています。抗生剤を
2剤を併用していますが、炎症所見の改善も認められません。
 治療にかかわらず病状は悪化していると言わざろう得ま
せん。今のまま病状が上向きにならなければここ数日で急変
する可能性があります。」ご長男は一瞬息を呑んだ。
「つまり、父は助からないということですか?」
 私のつたえなければならないことはまさにその事なのだ。
 共に1ヶ月近くを彼の父親の病状に一喜一憂しながら、苦
しみながら多くのピンチを乗り越えてきた。一度は退院で
きるかもしれないという希望がもてるところまでもってき
たのだ。それがすべて無駄になるかもしれないと誰が話し
たいと思うだろうか。だが話さなくてはならない。
「状況は厳しいということです。もちろんできる限りのこと
はやらせていただいていますが...。回復の見込みはかなり
厳しいと..いわざろう得ません...。」「どうして....。
つい2,3日前までは元気だったのに..。」「一連の経過
で肺の機能をかなりやられていたところに肺炎を起こしたの
がかなり致命的になったと思われます。いまできる治療は
すべてやっていますので...。」彼は苦しい私の心情を察して
か落ち着きを取り戻そうとしているのが解った。「解りまし
た。では早いうちに逢わせたい人には着ていただいた方が
いいですね.それで、どれ位父はもつのですか?」「ここ数日
が山だと思います。」「そうですか、それでは今日から出来
るだけ付き添うようにします...。」
 (次回につづく)
【2005/04/05 22:16】 雨上がりの虹 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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藪医者の独り言


ここに記載されたエピソードは著者の体験をもとに構成したフィクションです。 このページはリンクフリーです。気に入ったら適当にリンクを貼っていただいて結構です。


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