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(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
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不条理な結末(1)
 外科外来に30代の男性が全身倦怠感と食思不振を訴えて受診
してきた。顔色は悪く、眼けん結膜は明らかに貧血があり
採血の検査は血液の濃さが通常の半分まで減少している極度
の貧血であることを示していた。「入院が必要ですね。
かなりの貧血です。貧血の原因がなにか調べる必要がありま
す。」「そうですか、仕事もありますがしょうがないです
ね。でも今日の入院は困ります。仕事の引継ぎもしなけれ
ばならないですし。」「今の状態ではいつ倒れてもおかし
くない状態です。医者の立場としてはこのまま帰宅しても
らうのはかなり心配なんですが。」彼はどうしてもと聞かず
3日後に入院の予約をいれて帰宅した。悪い予感がした。同時
に検査された消化器癌で上がる腫瘍マーカーは2日後高値で
何らかの悪性腫瘍が存在することを強く示唆していた。
 3日後彼は入院してきた。「先生、本当にきつかったよ。
食事が全然食べられなくてね。あの時入院しとけばよかった
かなと思ったけど、なんとか仕事は片をつけたからあとは治
療に専念できるよ。」
 入院した日に上部消化管内視鏡(胃カメラ)を臨時に施行
した。胃の出口に近い部位に火山の噴火口のような潰瘍性
病変が認められ、それは全周性で、胃の出口はふさがれる
寸前の状態であった。「これはかなり大きいな..。果たして
取りきれるかどうか....。」私は心の中でつぶやいた。
 「胃の出口付近に大きな潰瘍がありこれから出血して貧血
になったようです。見た目はあまりいい顔つきの潰瘍でなく
悪性の可能性が高いと思われます。至急で顕微鏡の検査の
結果を出してもらいますので。いずれにしても手術が必要
そうです。」「手術ですか..。」「まず貧血を改善しなくて
はなりません。点滴から鉄剤の投与と輸血を行います。
 そのほかの検査で他にも病気がないかしらべて結果がでた
ところでご家族とご一緒に説明させていただきたいと思いま
す。」「わかりました。色々大変そうですね。」彼は困惑
した表情を浮かべながら答えた。
(次回につづく)
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【2005/02/28 23:34】 不条理な結末 | トラックバック(0) | コメント(0) |
医者という仕事(2)
 病院というところは多くの人が息を引き取るところである。
 そして入院している人はやはり高齢者が多くなる。外科は
今は70代、80代が当たり前で最近では90代の手術も珍しく
なくなった。60代の方が来ると「若い!」と感じてしまう。
 彼らは明日の私たちの姿である。医療関係者ほど多くの
死に立ち会わなくてはならない仕事はないだろう。
 死の場面というのはその人の人生を集約したものである。
 「先生、長生きなんかするもんじゃないよ、親も兄弟も
夫もみんな死んじまって、子供もいないからだれも頼る
あてもない。友達も皆亡くなってしまって、本当に寂しい
よ。」といっていた80代の女性は肉親にだれも看取られる
ことなく病室で独りで亡くなった。ある企業の社長はその
病期の末期、入院しているとき家族は全く見舞いにこなか
った。意識が無くなり、血圧が下がり、尿の出が悪くなって
ここ数日が山というところで話をしようとしたら、突然
大勢の親戚が病院に押しかけ遺産の件があるのでこの日ま
では生かしてくれと迫られ癌の末期にもかかわらず人工呼
吸器につながれて死ななければならなかった。
 本当に彼は皆に愛されていたのだろうか?
 かと思えばある小さな商店主は友人や家族が日替わり
で訪れ、最後の時が訪れようとしたとき、多くの人に囲
まれて、奥さんに「あんた、本当にもう心配いらないか
ら、子供たちも皆一人前になったし、なんにも心配いら
ない。あんたが充分苦しんだのは近くでみていて充分わ
かったから。もう楽になっていいから。」と涙を流して
語りかけられながら亡くなっていった。
 色々な人々の死に様を見るとき、その人がどれだけ周り
の人たちを幸せにし、周りに愛されていたかがわかる。
 
 生活を豊かにするのにある程度のお金や権力は必要で
ある。しかしながらそれは道具にすぎない。墓の中まで
もっていくことはできない。人の死を看取ることで自分が
学んだことは、本当に大切なのはその人がどれだけ真摯に
自分自身と周りの人たちに向き合ってきたかということ
なのだという確信である。彼らの姿は明日の我々の姿で
ある。自分自身どう生きていくか考えられる様になった
ことは医者という仕事について良かったと思えることの
一つである。
【2005/02/27 20:50】 医者という仕事 | トラックバック(0) | コメント(2) |
医者という仕事(1)
 punipunipyonpyonさんコメントどうも有難うございました。
 ご主人様も色々大変な事と思われますがお二人の前向きな
姿勢はすがすがしく感じられました。今日は昨日までのシリ
ーズを一旦休みにして医者の仕事に関する雑感を書きたい
と思います。

 どの様な仕事も楽な仕事というものはありません。しかし
ながら医者という仕事はかなり心理的には重い仕事であろう
と考えます。自分の決断でその人の人生が変わってしまう可
能性がある。私は外科医ですが、(そんなことはまずないの
ですが...。)手術中にその出血が止められなければその患者
さんは死んでしまいます。その人の家族、仕事、友人関係それ
らをすべて踏みにじってしまう可能性のある仕事。その人の人
生を全く変えてしまう可能性のある仕事。その可能性におびえ
ながら我々は仕事を続けていくのです。
 しかも医学というものは一般の方が思っているほど確実な
ものではないのです。年を重ねるごとに感じるのは自らの
あまりの無力さです。実るほど首を垂れる稲穂かな。手術を
すれがするほどその怖さと不確実性をいやというほど認識
させられていきます。今の医学は感冒一つ治すことはでき
ません。また100%の安全性などはありません。局所麻酔で
さえショック死を起こす可能性があるのです。
 どこに予期できない事態が待ち構えているかわからない
状態で手探りで一番の解決法を求めていかなくてはならない。
 しかも患者さんは一人で一回決断を下せば後戻りはできない
しやり直しは効かない。その時、その時で最善と思われる
手立てを打ち乗り切っていかなくてはならないのです。
 また常に我々は十数人の入院患者を抱え、片方で癌の末期
の患者を看取り家族の悲しみをうけとめつつ、同時に術後
の順調な回復を見せる患者さんの喜びをわかちあい、外来
で癌の再発の所見を発見した患者さんに悪い情報を伝えつつ
無事に5年を乗り切った患者さんにお疲れ様を言う。
 その切り替えもなかなか大変です。術後の患者さんの具合
が悪ければ食事も喉を通らない、夜も眠れない日々が続き
ます。実際に医者になるまではこの仕事はもっと花々しい
ものかと思っていましたが、実際はもっと地味で、手術なり
治療を出来る限りの事をしてあとは患者さんが治療に反応
するのをひたすら見守りつづけるしかないのです。その意味
では忍耐のいる仕事かもしれません。
(次回につづく)
 
【2005/02/26 23:14】 医者という仕事 | トラックバック(0) | コメント(1) |
帰れない老人達(3)
 70代の胃癌の術後の患者さんが食事が食べられないということ
で夜間に救急外来を受診してきた。全身状態は悪くなく当直の
医師は点滴をして帰すつもりだったのだが、家族は入院のつも
りで大量の荷物をもってきておりこのままでは帰れない、入院
させろと迫ってきたため経過観察ということで入院となり、術
後の患者さんということで外科に回ってきた。入院後は食欲旺盛
で胃癌の術後とは思えないほどであった。彼は看護婦に家族に
食事を作ってもらえなかったらしいこと、家族の中で疎外され
ているらしいことを漏らしていた。胃癌の手術自体は根治性が
あり再発の所見もない。元気で食事も摂取できていることから
何の治療と行っているわけでもない。入院している必要は医学
的にはなかった。当然退院の方向で話をするしかない。渋る家
族と話合い、退院日を決定した。
 退院予定日の2日前の夜、夜勤の看護婦が彼が病室にいない
のに気づく。病棟中捜索されたが発見できなかった。家族に
連絡するが家には帰っていない。心当たりを当たってもらうが
行方が分からず、警察に捜索願が出された。
 翌朝。病院の裏で首をくくっているのを出勤してきた職員に
発見される。警察は自殺と断定。事件性はないと判断された。
 家族は泣いていた。お世話になりましたといってかえって
いった。一段落してある看護婦が私に言った。「先生、あの
人の奥さん、昨日、調子悪いふりして入院を伸ばしてもらえ
あんたの居場所なんか家にないんだからって言ってたらしい
ですよ...。」あの家族の涙はなんであったのだろう。
 別れを惜しむ涙だったのか、罪を感じて流した涙だったのか。
 彼は遺書も残さず黙って独りで旅立ってしまった..。
【2005/02/25 22:22】 帰れない老人達 | トラックバック(1) | コメント(1) |
帰れない老人達(2)
 リハビリもすすみ食事も摂取できるようになりそろそろ退院
をと考え、家族と退院の相談をしようと話しあいの場をつくっ
た。「術後の経過は概ね良好でした。幸いにも大きな合併症
もなく経過しました。状態もいいので退院の方向で準備をすす
めたいのですが。」と話すがいなや「退院は困ります。」奥さん
から開口一番に強い口調で発言した。「それはどういうことで
すか?」「先生は主人を追い出すおつもりですか?家でもう
主人の世話はできません。私も体が弱ってきてるし、色々ヘ
ルパーなど入ってもらってみてきましたけどもう見切れない
です。」一瞬愕然とした。若かった私は感情を押し殺しなるべく
穏やかな口調で言った「それはどういうことでしょう。私たち
は出来るかぎりの事をしてご主人を良くしようと頑張ってき
ました。手術も決して安全ではなく薄氷を踏む思いで経過を
見守ってきたんです。その努力が実ってもうそろそろ家に帰
ってもいいくらい良くなったというご報告をさせていただい
たつもりです。私は良くなってよかったとご家族の方にも喜
んでもらえるものと思っていました。それが開口一番困りま
すとはどういう事ですか?ご主人はお荷物で家に連れ帰るつ
もりはないという事はどういう事ですか?それならばどうし
て本人も嫌がった手術をしたんですか?本当はご主人が手術
で亡くなった方がよかったと言う事ですか?それならば我々
のいままでの努力は全く余計な事だったということですか?
それはあまりにも我々に対して失礼ではないですか?」奥さ
んは慌てて答えた。「すいません。もちろん主人を良くして
いただいたことに関しては感謝しています。でも家に連れて
いくのは無理です....。」
 結局、長期療養施設の空きを待って転院予定となった。
その間、可能であったはずだが外出や外泊で一度も家に彼は
帰る事はなかった。転院前、回診で回ってきた私に彼は優し
くささやいた。
「先生、家に帰りたかったよ。でも家の連中はもう俺の
世話を焼くのは嫌なんだよ。だから帰れない。でも俺の年金は
欲しいんだ。だから俺に死んでもらったら困るんだよ。だから
おれもどうでもいいやと思ってさ。もう手術もいいや、このま
ま死ねるんならって思ってた。先生には助けてもらったけど
自分自身複雑な心境ではあるんだ。でも先生は一生懸命やって
くれた。だから感謝はしてる。」そして彼は無言で転院して
いったのである。
【2005/02/24 22:10】 帰れない老人達 | トラックバック(0) | コメント(2) |
帰れない老人達(1)
 普通、退院とは病気が治った状態で患者さんは退院を待ち望
んでいるものと考えられがちであるが、必ずともそうでないと
いったならあなたは驚くであろうか?決してそれは珍しいこと
ではない。日本の多くの病院で家族が退院を拒まれることが
日常茶飯事となっている。世話を焼く人間がいないのだ。
 そして一般の老人ホームや施設では月20~30万かかる。病院に
入院となれば老人保健だから月10万いかないし、高額医療費の
上限が7万程度であるから安くてすむ。そうして少し風邪をひいて
具合が悪くなるとどうみても元気な老人をつれてきて家族が
膨大な荷物をもってきて入院させろと半ばけんか腰で迫って
くることがある。ここでは自分が見た家に帰してあげたかった
が帰せなかった老人達について記憶を頼りに綴っていこうと思う。

 東京の某病院にもともと脳梗塞で右片麻痺があり寝たきりの
80代の男性患者が腹痛と嘔吐で入院となった。もともと開業
医の先生の往診患者さんで。便潜血陽性であったが高齢でもあ
り家族も大腸カメラなどの侵襲的な検査を望まず、なにかあっ
ても症状がでたときで考えるということで観察されていた。腹
部を触診すると右の下腹部に巨大な腫瘍が触知され容易に右側
の結腸の悪性腫瘍が疑われた。貧血もひどく腫瘍マーカーも高
値で腹部のCTでも分かる上行結腸癌であった。本人はもうこの
年まで生きたし手術しないでこのまま様子みてくれ、苦しいの
と痛いのだけとってくれればいいから。手術は受けたくない
と言っていた。状態も悪く手術はかなり厳しいものになる旨
お話し本人の気持ちを考えるなら手術しないで経過をみるのも
ひとつの方法である旨をお話した。しかしながら家族はできる
だけのことをしてくれといって半ば本人を無理やり説得して
手術することになった。かなり大きなもので後腹膜、腎被膜
十二指腸の漿膜に浸潤しておりこれらを削り取って右半結腸
切除を行った。術後の回復には時間がかかったが幸いにも大
きな合併症なくリハビリも進み入院前より活動度はむしろ改善
し、この結果なら手術をしてよかったと思っていた。
(次回につづく)
【2005/02/23 23:36】 帰れない老人達 | トラックバック(0) | コメント(0) |
癌という病気
 私の専門は一般外科である。どうしても疾患としては消化器
癌の手術が主体となる。半分が早期で半分が進行癌であるとす
るならば自分が手術した患者さんの半分は5年以内に亡くなる
ことになる。できる限りの治療を行ったとしてもだ。
 しかしながら私自体は癌は慈悲深い疾患だと思っている。
 逆説的に思われるかもしれないが他の多くの疾患を考えて
みると私の言っている意味が解ってもらえるかもしれない。
 例えば糖尿病を考えてみよう。疾患がすすめば失明し、腎機能
がやられて透析となり(現在の日本の透析の導入理由の第一位
は糖尿病性腎症)手足が壊疽を起こし四肢を切断されそれでも
死ぬことができない。脳梗塞で麻痺で寝たきりとなった患者さん
を考えてみれば、寝たきりで何年も生き続け、家族には影で
早く死んでくれないかと思われながら生き続けなくてはなら
ない。肺気腫の患者さんはどうしようもない呼吸苦の中で
何回も挿管され人工呼吸器につながれ生かされてしまう。
 治療を中断しようにも中断することが許されない。脳梗塞で
嚥下障害を起こせば昔は点滴もせずに干からびて弱っていくの
をみて誰もが死を納得していた。しかしながら現在では口から
入らなければ経鼻栄養、胃に穴をあける胃ろう造設されて
無理やり生かされる。何年もこの状態で生かされつづければ
家族もつかれきって早く死んでくれと内心祈ってしまう心境
に追い詰められる。本当にこれで皆幸せなんだろうか?
 食事がとれなくなって、衰弱して、家族に家で看取って
もらえた昔のほうが皆幸せだったんではないかと思う。
 癌は違う。早期であれば確実に病気を治癒させることがで
きる。助けられる時期を逸したとしても、家族が周りが同情
し、真剣になる。痛みが出てきたとき痛みのとり方、尊厳死
の観念。一番研究され学問的に確立している疾患である。
 脳梗塞の様に十数年寝たきりになるならば家族もつかれき
ってしまうが数年、数ヶ月であれば周りも頑張れる。
 医者ももう充分苦しんだから、最後はつらさや痛みを充分
とってあげて自然に任せましょうと言ってあげることができる。
 充分苦しんできて、ようやく安らかな眠りにつこうとして
いる患者さんに肋骨を折ってしまう心臓マッサージや苦痛を
伴う人工呼吸器の装着をしなくてすむ。人は老い、いつか必ず
死ぬ。その最後をどうするのか最も研究され、死が仕方の
ないものだと誰しもが納得してくれる疾患。ある意味本当に
慈悲深い疾患であると感じるのである。
【2005/02/22 23:17】 管理人雑感 | トラックバック(1) | コメント(2) |
老後という現実
 今の日本ではほとんど100%の人が病院で生をうけ
病院で亡くなる。つい半世紀前は自宅で産婆に取り上げられ
自宅で息を引き取った時代もあったが今はそんなことは殆ど
ありえない。みな病院で亡くなっていく。かつては「あそこの
おばあちゃん食事が食べられなくなったっていうからそろそろ
かね」などと近所でささやかれ自宅で家族に看取られ、近所の
医者が往診して死亡宣告がなされた。老衰ということが一般の
感覚として理解されていた。今は食事が食べれなくなったとな
れば病院に入院させられ点滴の管をつながれ、嚥下する能力が
なくなれば胃に孔を空けられ栄養剤を流し込まれて本人の生か
されつづける。状態が安定しても自宅には介護できる人間がい
ないということで施設に預け続けることになる。老人ホーム、
老健施設は体のいい姥捨て山である。現代人の多くの人生の
終末は何十年もローンを払って住み続けた自宅では過ごせな
い時代となっている。あなたが老いた時、誰があなたを助けて
くれるであろうか?あなたは最後の時をどこで迎えるか考えた
ことがあるであろうか?今、病院で横たわっている老人達は明
日の我々であるという事実を認識できることができる人はどれ
くらいいるであろうか...。
【2005/02/21 22:15】 管理人雑感 | トラックバック(1) | コメント(2) |
現実とは
 医者になって10年が経つ。年を重ねるごとに感じることは
自分らの非力さに他ならない。人は年を重ね、老いていき、
やがて死んでいく。医者がやっているのは患者が治癒するのを
助けるだけであり、患者に治癒する力がなければ助けること
はできない。そして何もできないと分かっていても死ぬ間際
まで患者さんの側にいなくてはならない。医者になる前はもっと
医者はできることがあるのかと思っていたが、やれることも
限られているし、何よりも分かっていることより分かっていない
ことの方が多く、皆半ば手探りで目の前の患者を治療していかな
くてはならないという現実に苦しむ。患者さんは100人100様
で治療に対して協力的な患者さんから、アルコール、煙草依存
の患者さんなど様々おり、それぞれの生活がある。こちらの思う
通りの治療を行えるとは限らないし、同じ治療にうまく反応する
かどうかもわからない。機械の製造ならすべての部品や構造が
明確であるし、電源を切り、場合によってはすべてをばらして
故障の部位も明確に分かる。人の場合はそうはいかない。
 なんとアバウトな学問を武器に我々は患者さんと向かい合わな
くてはならないのだろう。しかしながらできる範囲でやれること
をしなくてはならない。そしてその人の人生を変えてしまうかも
しれない決断を下さなくてはならないのだ。その日々の苦悩を
綴っていければと考えている。
【2005/02/20 17:58】 管理人雑感 | トラックバック(0) | コメント(0) |
藪医者の独り言


ここに記載されたエピソードは著者の体験をもとに構成したフィクションです。 このページはリンクフリーです。気に入ったら適当にリンクを貼っていただいて結構です。


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