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誤報(1)のエントリーは11月26日付けです。最初から読む方はカレンダーで11月までたどって26日をクリックすると誤報(1),(2)のエントリーに入れます。あとは順々に日にちをクリックしていってください。
(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
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この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
【2008/08/20 12:05】
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それはある雨の日の朝だった。いつものように朝の外科 チームのミーティングと午前中の外来に行く前に受け持ち の患者さんを回診する前に夜の間の患者さん達の状態を 把握するため私はカルテの温度板を確認していた。 彼の温度板には早朝38度台の発熱があったことが示されて いた。深夜勤の看護師に声をかける。「あれ、○○さんて 夜間に発熱があったのかい?」「ええ、朝4時ころから息苦 しいといって..。その時の体温が38.7度でした。サチュレー ション(血中酸素飽和度:血液中の何%の赤血球に酸素が 結合しているかを示す指標で指に機械をつけることで測定 することができる。血中の酸素分圧を反映する。正常は 95%以上。90%を切ると低酸素血症と判定される。)も ずっと80台の前半で経過しています。」彼の元にいくと 呼吸数も多くかなり息苦しい様だった。すぐに動脈血の 採血を行い血中の酸素濃度、二酸化炭素濃度を確認する。 血中の酸素分圧は正常の半分以下、二酸化炭素濃度は 倍近くあった。呼吸がいつ止まってもおかしくない状態 である。そのまま吸入の酸素濃度だけ上げてもかえって 呼吸抑制が起こる可能性があり、人工呼吸器の装着が 必要であった。私は彼に話かけた。「○○さん。どうも 肺炎をおこしたようです。自分で充分に呼吸できない状態 になっています。気管切開部から管をつないで機械に つなげさせてください。」少し意識はボーっとしていたが 彼は文字盤を出すように要求した。「き..か..い..に.. つ..な..が..れ..る..の..は..い..や..だ...。」彼は 強制的に呼吸させられる人工呼吸器は苦しいからいやだ というのだ。しかし家族は今の事態をまだ知らない。この ままおいておけば呼吸が止まるのは時間の問題だ。しかも 彼は癌の末期などではなく良性疾患である。手術の後の ピンチを何度も乗り越えてきてここまできた。この肺炎を 乗り切れば充分助けられるのだ。家族に「本人が人工呼吸器 をつなげられるのが嫌だといっていたので人工呼吸器を つながないでみていたら呼吸が止まりました。」などという 説明で到底納得を得られるとは思えない。ここで黙って呼 吸が止まるのを見ているわけにはいかなかった。私は彼に 再度説得を試みた。 「○○さん。この肺炎を乗り切ればすぐに機械もはずれると 思います。このままでは呼吸が止まってしまうかもしれ ないんですよ。」彼は文字盤を示した。「い..や..だ..。」 困った私は彼のご長男に連絡を入れた。現在の病状も お話しておかなくてはならない。7時半を回ったところで 仕事に出る前のご長男を捕まえることができた。「お忙しい ところ申し訳ありません。実はお父様のことなのですが、 どうも今朝方から肺炎を起こしたようで、呼吸状態が非常に 悪くなってきてしまっています。人工呼吸器の装着が必要 な状態です。」ご長男は少し動揺したようだった。「そう ですか。」「ですがご本人がどうしても人工呼吸器はいやだと いっていまして...。今のままではいつ呼吸が止まってもお かしくない状態ですから、ご家族のご了承を得る必要がある と思いまして..。詳しくはまた今日の昼ごろに一通り検査 結果がでましたらお話いたしますので..。」「わかりまし た。お願いします。すぐ病院に行ったほうがいいですよね。」 「とりあえずの必要な治療は開始していきます。外来が終わ った1時位にお話できる時間をつくれると思います。」 「わかりました。」 私は彼の呼吸を確保するために人工呼吸器をつなげ、彼の 呼吸器での苦痛をとるために少し眠らせる薬を使用した。痰 と血液の培養検査を行い、そのほかの採血検査を提出、胸の レントゲンをオーダーし、抗生剤の投与を開始した。「○○ さん。今、肺炎の治療を開始します。人工呼吸器につなげま すけどつらいと思うので薬を点滴から流して機械をつなげて いる間は眠ってもらいますから。肺炎が落ち着けばまた機械は はずせますからね..。」 彼はしょうがないと思ったのだろう。静かに頷いた。 このときの彼の頷きが彼との最後の意思疎通になろうとは 思いもよらなかった。 (次回につづく)
【2005/04/03 19:55】
雨上がりの虹 |
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