FC2ブログ
ここに記載されたエピソードは著者の体験をもとに構成したフィクションです。 このページはリンクフリーです。気に入ったら適当にリンクを貼っていただいて結構です。

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

百合の花(13)
5FU、LVでの経口薬の抗癌剤での治療を継続する
にあたって、彼の場合は幸いにも大きな副作用が
出現することなく経過した。月に平均して2回ほど
きてもらいながら大きな自覚症状がないことを確認
し、また採血して特に血球減少もないことを確認し
ながら治療を継続した。術後の体力の回復もまずまず
で、術後1ヶ月半位で仕事にも復帰してなんとかやって
ますと彼から報告をうけた。定期的に腫瘍マーカーを
チェックし、3ヶ月おきにCT、超音波で再発の兆候
がないかを確認した。幸いにも3ヶ月たっても、半年
経ってもはっきりした再発の所見は認められなかった。
 仕事の合間に病院に通ってくるのは大変ではあった
だろう。だが彼は外来を中断することなく通い続けた。
 そして1年が経過した。このときも、大腸内視鏡を
含めて一通りの検査を行ったが再発の所見は認められ
なかった。結果を説明しながら私は外来で彼に言った。
「お疲れ様です。1年経ちましたね。治療を頑張って
いただいていることもあって、今のところはっきりした
再発の所見は認められません。」「有難うございます。
おかげさまでなんとかここまで来ました。まだまだ
先は長いですが1年経って少しほっとしています。」
「そうですか...。今のところは薬の副作用も許容で
きる状況ですし、現在の治療をあと1年続けたいと
思います。大変だとは思いますが.....。」「そんなこと
もないですよ。大分、今の治療にも慣れましたし、
このまま行ってくれればいうことないですから。
 だいぶ仕事の方も軌道に乗ってきた感じですし
結構これで充実していますから....。確かにいつ
再発するかもわからない状態ってのはすこしは
不安ですけど、悩んだってよくなるものでもないで
すし割り切るようにしています。悩んでよくなるん
だったら1日中でも悩んでますけど、なんの生産性
もないですし...。仕事も含めて、今自分がやれる
ことに没頭していた方が気もまぎれるし、充実感も
あっていいですから。」「そうですか。それは良かった。」
 彼の前向きな姿勢に私も少し安心した。
(次回につづく)
 
スポンサーサイト
Copyright © 藪医者の独り言. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。