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約束(2)
 ある年の夏の日、東京のある病院に最近食事が食べられなく
なり、おなかの痛みも伴うために50代の女性が外来を受診した。
 内科の医師は眼瞼結膜の貧血を認め、腹部の触診で患者が痛み
を訴えるみぞおちのあたりにしこりが触れる気がして採血と
腹部のCT、上部消化管内視鏡をオーダーした。採血の結果
重度の貧血があり医師は入院を勧めたが本人が入院は希望しな
かったため、造血剤と胃薬を処方された。腹部CTでは胃の出口
付近に壁の肥厚を認め、周囲のリンパ節の腫脹と肝臓に多発する
腫瘍が認められた。上部消化管内視鏡では胃の出口を塞ぎかけて
いる腫瘍が認められた。内科の医師は胃癌の肝転移と診断した。
 痛みを伴い食事も摂取できなくなってきていることから根治性
はないが、外科的な切除の適応がないかということで外科の外来
にまわされてきた。内科の先生からの紹介と画像をみてこれは
少し大変そうだなと私は思った。患者さんを病室に呼び入れる。
 「こんにちわ。内科の先生からの情報いただきました。いまま
での経過について改めてお話を聞かせていただきたいのですが
よろしいですか?」私は彼女に話しかけた。彼女は言った。
 「はい。3ヶ月前くらいからなんとなくおなかが重たい感じ
があったんです。次第に痛みをともなうようになってきま
した。近くの医院にいって胃薬もらって様子をみていたので
すがあまり症状がかわらなくて...。最近は食欲もおちてきま
したし、どうもふらつきもでてきたのでこちらを受診しま
した。結構な貧血があるということで内科の先生は入院を
すすめてくれたんですが、家と仕事の都合もあってそれは
断ったんです。胃カメラの検査でどうも胃の出口のあたりに
腫瘍ができていてそれで食事がとれなくなっているようだ
ということでした。」
(次回につづく)
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