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約束(5)
 彼女の貧血に対して輸血をおこない貧血の改善をはかると
同時に術前検査を行った。胃のバリウムの検査でも腫瘍は
胃の出口を塞ぎかかっていた。しかしながら幽門(胃の出口
の部分)は保たれており十二指腸には腫瘍は浸潤していな
いと思われた。腹部のCTでは肝臓の転移もあったが胃の
周囲のリンパ節の転移が明確に描出されていた。とくに胃の
小彎側のリンパ節の腫脹が著しかった。しかしながら、胃の
背中側にある膵臓との境界は保たれており、なんとか腫瘍
自体の切除はできるのではないかとは思われたが予後的に
は非常に厳しいであろうと考えられた。大腸の検査では横
行結腸への直接浸潤は認められなかった。一通りの検査を
終えた後、改めて彼女と彼女の息子さんにお話することに
なった。
 「現在の状況ですが、胃の出口の付近に腫瘍がありまして
これが胃の出口を塞いでしまっている状態です。この腫瘍
からは悪性の細胞がでてきています。つまり胃の悪性腫瘍
であるということです。この腫瘍はここだけにとどまらず
周囲のリンパ節に広がっており、肝臓にも多発性に転移
しています。非常に病気が進んでしまっている状態です。
 この状態で完全に腫瘍を手術で取りきるのは不可能で
すが、このまま放置していたならば完全に胃の出口がふさ
がれてしまい食事も食べられなくなりますし、ここから
出血もしてきていて貧血もすすんだという経緯からいうと
この腫瘍だけは切除して食事はたべられるようにして、あ
とは腫瘍に対しての薬をつかって経過をみるというのが
好ましいと考えます......。」

(次回につづく)

 まだ夏休み体制で休みの先生がいることと、なぜか例年
になくこの時期にしては予定手術が多いこともあって休み
明けも忙し目の日々を送っています。更新が不定期になって
きていてすいません。明日は当直なのでブログはお休みです。
 ちょっと体がきついので今日は早寝して当直に備えたい
と思います。引き続きよろしくお願いいたします。
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