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春風(25)
 「まあ過ぎたことは仕方がないしね。死んでしま
った子供はかわいそうだったけど……。次の子がで
きたら気をつけてもらうこととして。でも次の子も
すぐには妊娠できないんでしょう?」敏子がそうい
うと悟が言った。「なあ、お袋。まだ最初の子が流産
して詩織もショックから立ち直っていないのにそん
な事聞くなよ。少しは詩織の気持ちも考えて物をい
えよな…..。」敏子は息子の言葉を全く意に介せずに
言った。「ショックをうけて当然でしょう。これで
平気だったら気がしれないわよ。それに詩織さんだ
ってもう若くはないのよ。ただでさえなかなか妊娠
しなかったんだから。あなた今、おいくつでしたっけ。」
「29になります。」さらにまくし立てようとしている
敏子に向かって司郎がやや強い語調で言った。「母さん。
それくらいにしておけ。お茶がまずくなる。」敏子は
それを聞くと「そう。それは悪かったわね。」と一言
言って黙りこんだ。気まずい雰囲気が場を覆った。
少しして悟が言った。「まあお袋の言いたいことも
わからなくはないけど。またそれは俺が後日よく聞く
から今日はこれくらいにしてくれ。今日はともかく
流産してしまったことを報告しにきたんだ。心配
かけて済まなかったと思ってるんだ。それでさっき
母さんがいってた今後の事なんだけど、まず生理が
もどってくるまでに少し時間がかかるだろうって。
それで少し周期が落ち着いてきてからがいいだろう
って。半年から1年位は待った方がいいだろうって
話だったよ。」司郎は言った。「そうか。いずれにし
ても大変だったな。まあ詩織さんも早く立ち
直って元気だしてください。」司郎の言葉を聞いて
「有難うございます。」と答えて頭を下げた。

(次回につづく)
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