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春風(36)
 その夜、悟は詩織の妊娠の報告のために実家に電話した。
 電話の呼び出し音の後に敏子の電話に出る声が聞こえた。
 「もしもし篠崎ですけど…..。」「もしもし、母さん。夜分
にすまないね。悟だよ。」「ああ、悟ちゃん。どうしたの。」
「実は詩織の事なんだけど。どうやらまた妊娠したみたい
なんだ。今日、病院に行ってさ、8週越えたくらいだって。」
「そう。それはおめでとう。良かったわね。前からちょうど
1年位かしら。思ったより早くまた子供が出来てよかった
じゃない。」「ああ。お蔭様でね。ともかくしらせなくちゃ
と思って今電話かけたんだ。」「そう。今回は前みたいな事
がないようにしてもらわないといけないわね。」「母さん。
別に前の流産だって詩織のせいじゃないんだから…..。」
「全く悟ちゃんは甘いんだから。お仕事も大切かもしれ
ないけどね……。」「まあ母さん、ずいぶんな挨拶だな。
それくらいにしておけよ。今日は素直に詩織が妊娠した
ことを喜んでもらいたかったんだから……。」悟の言葉に
敏子は続けようとしていた言葉を飲み込んだ。「わかった
わ。ごめんなさい。今日は連絡ありがとう。ともかくお
めでとう。今回は無事に赤ちゃん育ってくれるといいわ
ね。」「ああ。今回はきっと大丈夫さ。」「そうね。今、
父さんもいるから電話かわるわね。」「ああ、たのむよ。」
しばらく電話の保留音が聞こえたあと司郎が電話にでた。
「もしもし、悟か。」「ああ、父さん。僕だよ。」「なんだ
って。詩織さんまた妊娠したんだって。」「ああ、そうな
んだ。今日病院にいってね。予定日は来年の3月25日
だってさ。」「そうか。ともかくおめでとう。」「有難う。」
「まあ詩織さんも体を大切にしてもらって元気な子供を
生んでもらわないとな。詩織さんによろしくいっておいて
くれ。」「わかった。そうするよ。」「まあ、母さんも色々
いうけどお前達を心配しているからだからあまり気にす
るなよ。」「ああわかってる大丈夫だよ。それじゃまた
何かあったら連絡するから。」「わかった。そうしてくれ。」
「じゃあ父さんまたね。」悟はそう言うと受話器を置いた。

(次回につづく)
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