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春風(143)
 敏子は言った。「詩織さん。本当にいいの?」詩織は言った。
「先生が一生懸命やってくださったことは感謝していますし、
夫が亡くなった経緯をしっかり確認したいというという思いも
よくわかります。先生の診断や治療も信用していますし、解剖
をして全く違った診断となることもないでしょう。これだけや
ってこの上解剖もというのは全く抵抗がないわけではないです
けど、基本的には交通事故で起こったことですし、夫の死を厳
密に検討してもらったほうがいいと思います。それに夫の死が
今後の先生方の診療の糧になるのなら夫の死が生かされるとも
思うのです.....。私は間違っていますか?」詩織の問いに司郎
は言った。「詩織さんがそれでいいのなら我々は何もいうこと
はないよ。それじゃそうすることにしようか........。」私は
それを聞いて病理解剖の承諾書を取り出し言った。「それでは
こちらが病理解剖の承諾書になります。事が事ですし、もう少
しご家族で話し合っていただいたあとでかまいませんから、内
容を確認していただいたうえでサインをいただいてよろしいで
しょうか。お話した上でやはり解剖をやめたいといことであれ
ばまたおっしゃっていただいてかまいませんから......。」私
がそう言ったときまた院内PHSが鳴った。「どうもすいません。」
と私は一言いって電話をとった。「もしもし、nakanoですが。」
「先生、救急外来です。先ほど連絡させていただいた患者さん
今到着されました。」「わかりました。すぐいきます。」私は
そういうと電話を切った。「それでは承諾書サインいただいたら
病理の先生に連絡して解剖の準備をさせていただきますので。
また後ほど詳しく説明させていただきます。」私はそういうと
ご家族を面談室から送り出した。

(次回につづく)
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