Hit数5000超えました。皆様に感謝の気持ちをこめて記念にフラッシュ作成してみました。 →
こちら
Hit数10000超えました。皆様に感謝の気持ちをこめて記念にフラッシュ作成してみました。 →こちら
開設2年目になりました。これを機会に今の産科の危機に関してのフラッシュ作成しました。 →こちら

誤報(1)のエントリーは11月26日付けです。最初から読む方はカレンダーで11月までたどって26日をクリックすると誤報(1),(2)のエントリーに入れます。あとは順々に日にちをクリックしていってください。

(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
誤報(60)
 「黙って聞いていれば.......。それは医療側の勝手な言い草
なのではないですか?誤診は誤診なんですから。脳出血とわかっ
ても絶対助けられなかったと言い切れるのですか?いいですか。
人が一人死んでいるんですよ?我々がどういう気持ちでいるの
かわかっているんですか?」大輔は少し荒だたしい声で言った。
 「ご家族のお気持ちはわかりますが.....。我々としてはこの
状況のなかでは、やむ終えないところはあるかと.....。」丸山
は言った。「それではお聞きしますが、0時過ぎに里美が意識を
失ったとき、あなたは陣痛の痛みによる失神とおっしゃったん
ですよ、ばたばたし始めたのは1時半に痙攣をおこしてからで
しょう?その間、先生はどうしていたんですか?」「それは..。
当直室で休んでいました......。」「休んでいた.....。寝て
たんでしょう?そのことはどう考えているんですか?」「それ
は.....。0時の時点では、麻痺はなかったですし、痛み刺激に
も反応していました.....。血圧も脈拍もいわゆるバイタルサイン
は正常でした。脳出血などは考えにくかった。内科の竹内先生
にもみてもらって問題ないだろうと判断したんです.....。」
「でも、実際は脳出血だった。」「0時の時点で本当に脳出血
をおこしたかというとそれは疑問だと思いますよ。」原田が
口をはさんだ。「それにもし、0時に脳出血を起こしたとして
診断がついたとしてもこの脳出血はたすからなかったと思い
ます......。」「絶対ですか?どうしてそんなことがいえるん
ですか?その時点でCTをとっていたら助かったんではないで
すか?」原田は言った。「高橋さん......。CTはあくまでも
診断がつくに過ぎません。多分そこで診断がついても結果が
変わったとは考えにくいと思われます......。」「ですが
診断もつかない状態であった、誤診であったという状況で
どうして病院は最善をつくしたと言い切れるのですか?それが
こちらとしては理解できない。言い訳してるとしか思えない
んですよ!」大輔は涙を流しながらがなりたてた。

(次回につづく)
スポンサーサイト
【2007/02/28 23:42】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(59)
 大村幸枝が言った。「丸山先生、それであの子は循環器
センターで脳出血でなくなっているの。意識障害は脳出血
のせいだったんだとおもうんですけど、それについてはど
うお考えなんでしょうか?」「結果的にはそういうことに
なりますが、状況として診断は困難だと思います。分娩最中
に血圧が上昇した状態で痙攣を起こせばまずほとんどの産婦
人科医は子癇発作を考えるでしょう。実際、マグネゾールを
使用して痙攣発作は収まりました。子癇発作でも、脳出血
でも当院で対応できるものではなく、転送先を探さなくて
はならない状態なのはかわりないです。治療で何か大きな
誤りがあったということではないと考えます。」「でも
診断が誤りだったのは事実ではないですか?」「状況として
診断をつけられない状況で治療を行わなくてはならない事
はよくあることです。診断がつけられなくても命にかかわる
事態が起こっていれば呼吸や循環動態に関して維持する治療
を行いながら診断を同時にすすめなくてはならない事態と
いうのは臨床の場でしばしばあることは大村さんもご存知
のことでしょう.....。」「でも、CTをとれば脳出血はわか
ったのではないですか?」「大村さん.....。当院の放射線
科の体制はご存知でしょう。技師を呼び出して、CTを立ち
上げるまでに1時間近くはかかるでしょう。一刻も早く転送
先を探さなくてはならない状態で、問い合わせをしていた
のはあの場にいた大村さんも知っているでしょう?いつ受け
入れ可能とどの病院から連絡がくるかもしれないという状態
でしたし、可能性の高い子癇発作は安静が第一です。CT室
まで運ぶ間に急変するかもしれない状態でした。人手のない
当院でCT室に搬送したりCTとっている間に何かあったら対応
できないことはわかっているはずです.....。」原田が口を
はさんだ。「それに、脳出血がわかったとして、脳外科が
妊婦を受け入れると思うかい?妊婦の脳出血の経験がある
脳外科医などほとんどいないですよ。非常にまれな不幸な
患者さんだと思います。私も脳外科だが、妊婦さんに出して
いい薬は何かなんてわからないんだから。風邪薬だって出す
のに気をつかう。ロキソニンやバファリンみたいな熱さまし
だって禁忌なんだろう?丸山先生。」「ええ、胎児の動脈管
を閉じてしまうので胎児死亡を起こす可能性があるので...。」
「ましてや、分娩最中で子宮口も開いている状態で自信を
もって受け入れられる施設なんてないと思います。かえって
子癇発作という診断だったから受け入れ先が見つかったと考えた
方がいい。脳出血とわかったらどこも受け入れなかったで
しょう。最悪、お子さんごと当院で死んでしまった可能性が
高いと思いますよ.......。」「そうはいっても誤診は誤診
でしょう?」「その点はそうですが、脳出血としても行った
治療に関して大きな問題となることはしていませんし、診断
がついたからといって結果がいい結果になったとは思えない
ですが.........。」丸山は少し困惑気味に答えた。

(次回につづく)
【2007/02/27 22:41】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(58)
 丸山カルテを広げて見ながら説明を続けた。「午前0時14分こ
ろ意識を消失されて広川が私に連絡をくれました。診察したとこ
ろ麻痺などはなく痛み刺激にも反応し、血圧、脈拍などは正常で
あったことから、陣痛の痛みによる失神の可能性が高いと考えま
した。ただ頭になにか起こった可能性もかんがえなくてはならな
いと考え、当日の内科の当直医師の竹内先生にきてもらって診察
してもらっています。内科の先生の意見も同様で慎重に経過を観
察することとして、広川に引き続きベットサイドについてもらい、
経過を観察してました。午前1時37分に痙攣を出現し、血圧が急激
に上昇してきたことから子癇発作と考え、痙攣をとめるための薬
であるマグネゾールを投与したところ痙攣が停止しました。子癇
発作は胎児も母体も生命の危機にさらされる非常に重篤な病態で
す。根本的な治療は分娩を中止することになります。つまり緊急
に帝王切開を行う必要があります。お腹の子供も胎児仮死になる
ことが多く、NICUという新生児の集中治療を行う施設でなくては
対応できません。急いで転送先を探すことになりました。しかし
ながら、母体のための集中治療室と新生児集中治療室を完備して
いる施設が限られており、これらの施設に電話で受け入れを打診
しましたがどこも受け入れ態勢がないということで転送先の病院
が決まるのが難航しました。そうこうしているうちに4時半ころ
里美さんの呼吸状態が悪くなり、呼吸停止状態になりかかったた
め、気管内挿管、つまり、口から肺に酸素を送り込むためのチュ
ーブを挿入しています。その直後にO府の国立国際循環器センタ
ーが受け入れ可能と連絡があり、救急車で転送になっています.....。」

(次回につづく)
【2007/02/26 23:06】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(57)
 9月の半ばのある日、病院と里美の家族達との話し合いが
行われた。病院の会議室には大輔と英雄、大村龍雄、敏江
幸枝が来ていた。丸山と原田、助産師の広川が会議室に入
ってきた。会議室に入室すると原田は家族に向かって言った。
 「今日はご苦労さまです。まずは心より、高橋里美さん
のご冥福をお祈りいたします。」原田の言葉の後、3人は
家族に向かって一礼して着席した。3人が着席したのを見て
同席していた山本が家族に声をかける。「それでは、どう
しましょう。ご家族の方がお聞きしたいことを質問されま
すか?それともまずは病状の経過の方を丸山の方から説明
してもらうようにしますか?」山本の言葉に英雄は言った。
 「まずは先生の今回の経過についての説明をしてもら
ってから色々質問させてもらった方がいいとおもうので
お願いします。」山本は英雄の言葉に言った。「わかり
ました。それでは丸山先生。お願いします。」山本に
そういわれて丸山は説明を始めた。「はい。患者さんは
出産予定日をすぎても陣痛がなかったため、陣痛誘発の
ために入院していただきました。PEG錠というのが陣痛促進
剤なのですが、これを経時的にのんでもらっています。
 陣痛が誘発され、分娩は途中までは順調でした。
 この間はずっと助産師が付き添っており経過をみてもら
っていました......。」

(次回につづく)
【2007/02/25 17:49】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
産科崩壊フラッシュ作成しました
 土曜日の夜で時間ができたので産科崩壊のフラッシュつくって
みました。時間もないのでテキストばかりですが......。

 http://www.geocities.jp/nakano2005jp/iryouhoukai.html

 感想いただければ幸いです。

 ページ冒頭からもフラッシュに入れます。
【2007/02/25 00:24】 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(56)
 「まあ、亡くなったのが30代の女性だから......。家族として
はなかなか納得できない面があるのかもしれないが....。しかし
この急激な経過の脳出血は多分助けられなかったと思うよ.....。
 呼吸状態が悪くなったということは脳幹部がやられたというこ
とだから脳ヘルニアを起こしたのだと思われるしね。カルテでは
0時ごろに失神をおこしたようだが、このときは麻痺もなかった
ようだし、このときに脳出血をおこしたというよりは、子癇発作
で血圧が上がって脳出血を併発した可能性もある....。いずれに
しても30代での発症だとするともともと脳の動脈瘤があったか
もやもや病などがあったのか....。いずれにしてもかなり不幸な
患者さんではあるが.....。レア(めずらしい)症例ではあるが
ね.......。」原田の言葉に山本が言った。「ご家族にもそのよう
にお話する方向になりますかね......。」「ああ、まあ脳出血
が解らなかったことは経過からは仕方がないとしても、ご家族
の気持ちを考えると診断がつかなかったことは確かであるから
そこは頭を下げた方がいいだろうけどね。医学的な対処として
はいずれにしても3次救急に送らなくてはならない状態であった
わけだし、脳出血としても間違った処置をしたわけではない。
処置は限られた状況のなかでは最善をつくしたといえるわけだ
から、そこを説明して納得してもらうしかないとは思うけどね
.....。基本的には脳出血による病死であるのだから。
よく、子供だけでも無事だったと思うよ.......。こちらでも
やれることはやって、循環器センターも力を尽くしてくれたから
だろうが........。」「ご家族の話を聞いた印象としては、誤診
で治療が遅れて、それで患者さんが助からなかったんだと思い
こまれている印象があります。なかなか納得してもらうのは
厳しいと思いますけれど.......。」「そうですか......。」丸山
は山本の言葉につぶやくように言った。

(次回につづく)
【2007/02/23 23:31】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(55)
 山本は家族との話し合いの次の日、山本は院長室呼び出された
丸山と、原田に里美の家族との話し合いの時のことを話をして
いた。「それでご家族はどのような話をしていたのかな?」原田
は山本に尋ねた。「やはり一番は脳出血で亡くなったことで
すね......。こちらで子癇発作だといっていたのにどうして
脳出血ということになったのかと。命にかかわるような脳出血
がどうして解らなかったのかというのが一番納得できないと
いうところのようですね。家族としては最初の時点で脳出血と
わかっていれば命だけは助かったのではないかと思っている
ようです。」「そうか....。だが、数時間で呼吸状態までこんな
急激に悪化する脳出血はまず助けられないだろう......。」
原田は山本の言葉に唸るように言った。「それはそうなのでし
ょうが......。ご家族は基本的には誤診があってそれが患者
さんにとって致命的になったのではないかと思っているよう
ですから......。」丸山は言った。「子癇発作も脳出血も症状
は似ていて判別は困難です。妊娠、分娩中の痙攣発作であれ
は普通は子癇発作を考えます。痙攣発作後の治療に関しても
対処療法としては間違ったことはしていないし、脳出血だった
としてもそれに悪影響を与えるような治療はしていないのは
はっきりしています。いずれにしてもお腹の子供のこともあり
当院では対応できない症例であったことははっきりしていたの
で必死に転院先をさがしたのですから....。診断が誤っていた
としても結果的にはできることはしていると思うのですが...。」
 原山も言った。「もし、脳出血と事前にわかれば妊婦の脳出血
ということだから一般の脳外科は対応できないだろう。それこそ
逆に転送先を見つけるのはもっと困難な事になったと思う。
 結果的には診断がつかなかったがためになんとか転送先が
見つかったというのが現実なのではないかと思うが........。」
 「実際、先生方がいうのはそのとおりなのだと思うのですが
それをご家族がご理解してくれるかどうかですね.....。」
 山本はそういうとふっと溜息をついた。

(次回につづく)
【2007/02/21 23:16】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(54)
 丸山も交えての話し合いの前に家族の話を事前に聞いておく
ための場をもつために山本は日時を設定し、家族を病院の会議
室の一室にきてもらっていた。話し合いの場には大輔と英雄、
龍雄と敏江が来ていた。「今日はお忙しいところきていただい
てすいません。ご家族が高橋里美さんの当院での対応について
ご不満な点があって、担当させていただいていた当院の産婦人
科の丸山医師との話し合いの場をもちたいということでご連絡
をいただきました。直接の話し合いの前にご家族のお話を聞か
せていただきたいと思います。率直なところでのご家族のご意
見を聞かせていただければありがたいのですが.......。」山本
の言葉に大輔は言った。「まずは一番の疑問点は丸山先生は子癇
発作と言っていましたが、結局脳出血だったというのが一番
納得できていません。どうして死に至るような脳出血がわから
なかったのですか?それから、私はずっとつきそっていたので
すがあの日の夜中の0時ごろに里美は意識をなくしたんです。
 そのときは丸山先生は陣痛に伴う痛みで失神したんだろうと
いって、様子をみていたんです。その1時間後に里美は痙攣を
おこしてあれよあれよという間に状態が悪くなった。ばたばた
と転院先を探し始めたのはそれからです.....。きちっと診断
をつけてもらえればそんなに悪くならなかったんではないかと
思うんです。」英雄が大輔の言葉に続いて言った。「我々とし
てはこれはれっきとした誤診じゃないかと思っています。丸山
先生が誤診したがために対応が遅れたのではないかと......。
 こちらを出るときはすでに呼吸の状態も危うい状態で口から
管を入れられていたんです。どうしてそうなってしまったの
か全くわからない状態でした......。」「そうですか.....。」
 山本は英雄の言葉に唸るように言った。

(次回につづく)

 緊急手術や当直が重なって更新ができなくてすいませんでした。
 大野病院の先生が逮捕されてから1年が経過しました。限られた
状況の中で最善をつくしていても結果が悪ければ刑事罰を問われる
可能性があることを日本中の医師に知らしめたこの事件から産科
は崩壊の危機に押しやられています.....。今回の題材の大淀病院
の一件は検察も薬を間違えたとか、明らかに間違えた治療を行った
などの医療過誤はなく、診断も困難な患者さんであったことから
立件しませんでしたが、某新聞の捏造記事でバッシングされた医師
は産科を中止し奈良県南部の産科医療は崩壊してしまいました。

 出産は正常の出産でも母子ともに危険にさらされる事態です。
 高度成長期に入った昭和35年の新生児死亡率は17/1000、妊婦
死亡率は117.5/10万 100人に2人の新生児は死亡し、1000人に
一人の妊婦は出産で死亡していました。それを産婦人科医が必死
に努力して平成15年の新生児死亡率 1.7/1000、妊婦死亡率
6/10万と世界一低い死亡率を達成しています。それはひとえに
産婦人科医のそれこそ不眠不休の努力の賜物でした。ところが
それに対して、一般の人々は出産は安全なもの、元気に子供は
生まれてきて当たり前、何かあれば医者のせいという風潮を
生み出していきました。出産は女性の命をかけた大仕事のはず
なのに......。その果てが福島の事件のように病死でも医師の
せいにされ起訴されるとなれば、現場の医師は馬鹿馬鹿しいと
考えるのが当然でしょう.....。そして現場からの医師の逃避が
はじまりました.....。そして大都会でもお産難民が.....。
 結局わりを食うのは現状を知らされない一般市民の人たち..。

 マスコミはよく医師の報酬などのもとになる診療報酬の削減
などといいますが、診療報酬は、医療費であり、国民一人ひとり
の医療費が削られているのだということを報道しません。
 国がやっているのは姉歯建築士に某建築会社が恫喝して
鉄筋を抜かせたりさせているのと同じことなのだということが
一般の方にわかるように報道してほしいものです...。

 福島で起訴されたK先生大変でしょうが、頑張ってくだ
さい。日本中の医師が先生のことを心配して応援していること
を忘れないでください......。

 最後にこのブログも今日で開始して丸2年経過しました。
 ここまで続けられたのもひとえに読者の方々のおかげです。
 ひきつづきよろしくお願いいたします....。
 
【2007/02/20 22:45】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(3) |
誤報(53)
 「そうですか。病院から....。」龍雄はつぶやくように言
った。「里美はあの丸山という医者に誤診されて死んだんで
す。そこら辺を認めさせて謝罪させて、それなりの償いをし
てもらわないと気がすまない......。」龍雄の言葉に英雄は
言った。「そうですよね。いずれにしてもこの山本さんとい
う方が病院の窓口になるようですから.....。大村さんのご都
合をきかせていただきたいんです。」「できれば早いほうが
いいでしょう。」龍雄はふっと溜息をついていった。「夕方
の6時以降なら日にちはいつでも大丈夫です。高橋さんのご都
合にあわせられると思いますから.....。」「そうですか、そ
れではこちらで病院の方に連絡をとって日にちと時間を決め
ますので、日時が決まったらまたご連絡しますので......。」
 「わかりました。よろしくお願いします。」「わかりまし
たそれでは、夜分失礼しました。」そういって英雄は電話を
切った。龍雄が電話をおくと敏江が龍雄に声をかけた。「あ
なた.....。病院と話し合いの場をもつんですね.....。」「
ああ、高橋さんのうちに連絡があったらしい。病院の山本と
いう人が話し合いの窓口になるそうだ。とりあえずこちらの
話をききたいということで話し合いの場をもってくれるらし
い。こちらとしては夕方の遅い時間帯だったら都合がつくの
で日時の設定は高橋さんにお願いしたから.....。日時が決ま
ったら連絡してもらうように頼んだから.......。」「そう
ですか.....。」敏江はそういって黙った。

(次回につづく)
【2007/02/17 22:53】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(52)
 英雄はその夜、大村の家に電話をかけた。山本からの連絡が
あったことの話をして、山本との話をする日にちを決めなくて
はならない。英雄が電話をかけて間もなく敏江が出た。「もし
もし。」「もしもし、高橋ですが....。」「ああ、どうも。
敏江です。どうされましたか?」「夜分にすいません。今の
時間なら大丈夫かと思って....。実は大淀病院の山本という
方から電話があって....。」「山本さん?」「病院の事務の
方で先生との話をする前に事前にこちらの話を聞いておき
たいということなんですよ......。」「そうですか。」「いずれ
にしても、こちらの都合に合わせたいということなので、大村
さんのご都合を聞いてから連絡をしようと思っているので、
それで電話をさせていただきました。」「そうですか.....。」
「龍雄さんのご都合はどうでしょうか.....。」「なんとも
いえないですけど、電話かわりましょうか?」「そうしてもら
えるとありがたいです。」「わかりました。ちょっとおまち
下さい。」そういうと敏江は受話器をおき、龍雄を呼びに言った。
 テレビを見ていた龍雄に敏江が声をかけた。「あなた。高橋
のお父さんの方から電話ですよ。里美の件で病院から連絡が
あったそうです。」「そうか、わかった。」龍雄はそう答える
と電話に出た。「もしもし、大村です。」「ああ、大村さん。
夜分にすいません。実は今日、病院から連絡があって.....。
 医者との話合いの前に家族の話を病院の山本さんという事務
の方が事前に聞きたいということで連絡があったんですよ。」
 「そうですか。」「それで、その山本さんという人は、
こちらの都合に合わせたいということだったので、大村さんの
ご都合を聞ききたくて連絡させてもらったんです。」

(次回につづく) 
【2007/02/16 22:37】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(51)
 丸山は家につくと家の呼び鈴を押した。インターフォン越し
に妻の和美が応答する。「はーい。」「僕だ。帰ってきたよ。」
「あなた..。ご苦労様。」和美はそう答えると、ドアを開けた。
「お帰りなさい。」「ただいま。」丸山はそう答えると家の中
に入った。「今日は日付が換わる前に帰ってこれたわね。今、
お風呂の準備をするわ。」「ありがとう。」丸山は荷物を置くと
居間のソファーにどかっと座り込んだ。和美が声をかける。「お
疲れのようね。ここ2日ほど家に帰ってこれなかったんですから。」
 「ああ、いつもすまないな.......。」「今日は休めるのかし
ら。」「今日は大学からの先生に拘束お願いしているから......。
病棟の産科の患者さんは比較的落ち着いているし、今晩は落ち着
いて休めるとは思うけど.......。」「そう、それならよかった
わ......。あなたももう還暦が近いのに、連日当直やら呼び出し
やらで体がもたないわね.......。」「ああ、だけどうちの病院
がN県南部の出産を一手に引き受けているんだから....。僕が
がんばらないと.......。年間200件もうちの病院での出産がある
んだ......。その人たちを路頭に迷わすわけにはいかないからね。」
「あなた....。でも今の生活を続けていくのはもう厳しいでし
ょう?大学からは人は送ってもらえないの?それにあなたがし
なくてはならないことなの?」「大学も今は人手不足でどうしよう
もない状態だから、難しいと思うよ.....。ここで20年以上地域
医療を支えてきたんだ......。今のところは他の人に任せられ
ないよ.......。」「そう.......。」和美はつぶやくように言った。
 丸山はソファーに座ったまま今日の原田との話を思い返して
いた。「家族は君の対応に問題があって母親がなくなったのでは
ないかと思っているようだ.......。」「脳出血だったのに子癇
発作といって誤診だというのが納得できないと........。」当時
の事を思いかえす。最初に失神を起こしたときは刺激にも反応し
たし、麻痺もなかったはずだ。内科の当直医の竹内にも確認して
もらって、陣痛にともなう失神発作と考えたのだった。その後の
痙攣発作。血圧の上昇もあり、経過からは子癇発作を考えるのが
通常であろう.....。その後の処置も、転送先の検索も竹内や広川
らにも手伝ってもらい大きな間違いはないはずだ.....。特に脳出
血でやっていけない処置をしたとか、なにかの処置で合併症を起
こしたとか誤った薬剤を投与したなどの医学的なエラーはしてい
ないはずだ....。実際に母子ともども亡くなって不思議でない
患者さんだったところが、子供は助かったという。母体あっての
胎児であり、母体の全身管理はうまくいっていたと言えるはず。
 色々な考えが浮かんでは消えていく。だが、考えても仕方ない
ことだ.....。いずれにしてもご家族と話し合っていくしかない。
 時間はかかるかもしれないがわかってもらえるはずだ.......。
 明日も通常業務が待っているんだ...。ともかく休めるうち
に休んでおかなくては.......。丸山はぼんやりとそう考えていた。

(次回につづく)

 ここのところ忙しくて更新できなくてすいません。昨日は妻に
「ただでさえ疲れているんだから、ブログなんて更新しないで
さっさと寝なさい。誰も更新しなくても怒ったりするわけじゃ
ないんだから。」と叱られてしまいました。うーむ。でもぼちぼち
更新していくので引き続きよろしくお願いします。

【2007/02/15 23:23】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(2) |
誤報(50)
 「そうだな。今は私しかいないし、他にも話をしたい人間
もいるので、今すぐに都合もつくかないし、日にちは決めら
ないね。まあ、また連絡させてもらうことにするけど。連絡
はどのように取らせてもらえばいいのかな?」英雄は山本の
話を聞いてそう答えた。「わかりました。それではご都合の
宜しい日にちを連絡していただければ私、都合つけさせて
いただきますので......。できるだけ都合をつけるように
いたしますが、なるべく候補を3つほど挙げていただけると
こちらも都合をつけやすいのでありがたいのですが......。」
山本の言葉に英雄は言った。「わかった。それじゃこちらで
話をしたい人間をそろえられるようにするから連絡させて
もらうことにするよ。連絡先は病院でいいのかな?」「ええ、
病院の方に電話をしていただいて、医療相談室の山本を呼ぶ
ように言っていただければ連絡がつく形になっておりますの
で......。」「わかった。じゃあ、また連絡させてもらい
ますから......。」英雄はそう言って電話を切った。山本は
ふーっと小さく溜息をついて受話器を置いた。

 丸山は夜にあった自然分娩の患者さんの処置を終え、病棟
の患者さんの回診を終えてから事務処理の仕事を済ませて帰
りの途についた。時計は夜の11時半を回っていた。原田に
呼び出されて話を聞かれたことに少なからず丸山はショック
をうけていた。院長室で原田に呼ばれた時のことを思い返す。
 里美のカルテをめくりながら、当時の状況を思い返したが
丸山としてはできるかぎりの事はしたつもりではあった。家
族に対しての対応で至らない点があったのか......?色々な
思いで胸が締め付けられる気がしたことを思い返していた。
その後に業務に戻ったあとは表面には出さないでなんとか仕
事をこなしていたが、家への帰途の最中では色々な考えが
浮かんでは消えていく。ともかく今日はつかれた........。
 丸山は心の中でそうつぶやいていた。

(次回につづく)

 どうもここ数日、患者さんの状態がおちつかなくて泊り込み
になったりして更新できませんでした。少し全体的には落ち着
いてきたので少しほっとしています。
【2007/02/12 14:46】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(49)
 「まあ、こちらがやれる範囲でがんばったとしても結果が
悪ければクレームをつけられる御時世だから....。よく話
あわないといけないとは思うけどね。妊婦で30代で意識障害
と痙攣発作なら子癇発作をまず考えるだろうし、血圧の上昇
に伴って、子癇発作の後に脳出血を起こしたのかもしれない。
 まずは山本君にご家族のお話を聞いてきてもらうから、それ
に対してどのように説明するかを話し合う必要があると思う
んだ。まあ大変だがね......。」「ええ.......。」「臨床医も
受け持ちの患者さんが亡くなれば自分のせいでないとわかって
いても精神的にはつらいのだが、その上、家族に責められる
のはかなりきついがね。まあ、大体のところはわかった。
 明らかに薬を間違えたとか、治療の合併症を起こしたという
エラーは無いようだし、治療の対応は間違っていないと思う。
 ともかく話をしてご家族に納得してもらうしかないだろう。
また話し合いの日取りが決まったら先生にも都合をつけて
もらうようにするから........。」「わかりました。よろしく
お願いします.......。」丸山は頭を下げると院長室を出た。

 山本は高橋家に電話をかけていた。呼び出し音の後に英雄
が電話に出た。「もしもし、こちら高橋ですが....。」「すいま
せん、こちら大淀病院のケースワーカーの山本と申します。」
「大淀病院の.....。」明らかに英雄の声は不機嫌そうになった。
「ええ、本日、大村さんの方から病院に高橋里美さんの病状
経過についてご家族がお話を聞きたいとご連絡がありまして。」
「ああ、うちの里美はあの丸山とかいう医者に殺されたんじゃ
ないかと思っているんだよ......。」「それはちょっと穏やか
ではないですね.....。いずれにしても説明を受けたいという
ことですので、丸山医師や広川助産師と院長も含めて話し合い
の場を設けたいと考えているんです。その前にまずご家族の
ご不満に感じていらっしゃる点に関して私、お話を聞きたいと
思っておりまして.....。私、地域連携室におりますので
こちらでご家族のお話を聞かせていただきたいんです。ご都合
のよろしい日にちを聞かせていただきたいのですが......。」

(次回につづく)

 昨日、一昨日は緊急手術があって帰りが遅くなってしまい
ブログ更新できませんでした.....。ひきつづきよろしくおね
がいします。
【2007/02/08 23:03】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(48)
 原田は院長室の机からソファーに移ると丸山に言った。
「忙しいところ、申し訳なかったね。まあ座ってくれるかな。」
 原田の言葉に丸山は「はい。」といって腰をかけた。
「それで、早速、本題なんだが、この高橋里美さんという患者
さんのことなんだ。先月のことだし、先生も覚えているとは思う
けど.....。」「ええ、過産期になって分娩誘発した方です。
 確か夜中に意識消失されて、子癇発作を起こした方だと思い
ます。大学と県立病院にも転送を断られて、大阪の施設を片端
からあたった方でした。そういえば大村さんもいっしょに転送
先をさがしてくれていたと思いましたが......。」「ああ、
この患者さんの大叔母にあたるらしいんだ。」「そうですか..。」
「それで、大村さんから直接僕の方に連絡があってね。説明を
聞かせて欲しいという話なんだ。どうも、家族の方が経過につい
て納得できないということらしいんだね。いずれにしても一回
どこかでご家族とお話をしなくちゃならないと思うんだ。まずは
危機管理室の山本君にご家族にあって話を聞いてきてもらおうと
考えているんだけどね。一応、その前にこの患者さんの経過を
充分に把握しておく必要があると思ったんだ。それで先生に
話を聞きたくてね......。」「ええ....。」「カルテで経過を
みさせてもらったかぎりは子癇発作でもよさそうな経過かもしれ
ないんだけどね、どうも向こうで亡くなったのは脳出血だった
らしい。30代での脳出血とするともともともやもや病かなにか
の病変を持っていたのか、あるいは動脈瘤があってくも膜下出血
だったのか........。だが、この経過だと数時間で呼吸不全に
陥っているから脳出血とわかっても助からなかったのじゃないかと
おもうがね.....。最初の失神発作も竹内先生がいっしょにみて
くれているようだし、痙攣がおきてからの治療も悪くはないと
は思うんだが......。」「ええ......。確か、夜の時点で意識
消失あって、竹内先生にも診察してもらったんでした。このとき
は麻痺もなかったですし、痛み刺激に反応していましたので
陣痛に伴う失神発作かと考えたんでした、経過をみていたとこ
ろで1時半ごろに痙攣発作が起こり血圧が上昇して子癇発作と
判断して治療しています。」「広川くんの看護記録をみると
先生の大変さがよく解るよ。転送先はないし、赤ちゃんもろとも
この病院で亡くなってしまって全然おかしくない状態だったんだ
から....。挿管までして......。だが、ご家族がそれを納得して
くれるかなのだがね......。」「ええ.....。」丸山はつぶやく
ように答えた.

(次回につづく)
【2007/02/05 22:34】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(47)
 手術を終え、丸山は病棟の仕事をこなしていた。
 仕事に一段落をつけ、時計が5時半を回るのをみて、丸山
は原田の院内PHSに電話をかけた。かけてまもなく原田が電
話にでた。「もしもし、原田ですが....。」「もしもし、丸山
です。今よろしいですか?」「ああ、丸山先生忙しいところ
すまなかったね。」「それはいいのですが、どういったご用
件でしょうか?」「実は先生、高橋里美さんという患者さん
を覚えているかな.....。」「ええと.....。すぐには思いあ
たらないのですが.....。」「先月なんだけど分娩中に意識消
失して、国立国際循環器センターに搬送している患者さん
なんだけど......。」原田にそういわれて丸山ははっと思い
出した。「思い出しました。子癇発作ということで転送
した患者さんですね。」「そう。その患者さんなんだ。実は
脳出血で向こうの病院で亡くなっているんだ。そのことで
大村さんから電話があってね......。」「そうですか.....。」
 「ちょっと先生からも話をきかせてもらいたいんだ.....。
今、院長室にいるからきてもらっていいだろうか。」「はい
わかりました。それではこれからそちらに伺います。」
 丸山はそう言って電話を切った。

 丸山は院長室の部屋のドアをノックした。「丸山です。」
「どうぞ....。」中から原田の声が聞こえた。「失礼します。」
 丸山はそういって部屋の中に入った。

(次回につづく)
【2007/02/04 17:49】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(46)
 原田は三橋が医事課から借りてきた里美の入院カルテをめ
くっていた。0時半に意識消失してからの経過について原田
は眼を通していた。内科の竹内先生もみているのか.......。
 1時半すぎのところで痙攣。この時点で子癇発作と判断して
マグネゾールを使用.....。原田が助産師の広川の看護記録と
丸山の医師記録をみていたところに院長室のドアをノック
する音が聞こえた。「すいません、危機管理室の山本ですが。」
「どうぞ。」原田がそういうと山本がドアをあけて部屋に入っ
てきた。「まあ座ってもらっていいかな。」「はい。」山本は
原田にすすめられソファーに座った。「実は、山本さん。この
患者さんなんだけど。」「はい。」「8月に出産のために当院の
産婦人科に入院されていた方で、分娩中に意識消失して、子癇
発作の診断で治療をしながら転送をした患者さんらしいんだ。
 転送先で亡くなったということらしい。それで今、大村さん
からそのことで説明して欲しいと連絡があってね。実はこの患
者さんの大叔母にあたるのが大村さんらしいんだ。」
「大村さんですか?前の総婦長さんですよね。」「ああ、直接
私のところに電話をかけてきた。状況もわからないと対応の
しようもないからね。また話し合いの設定をするようにする
旨伝えたんだけどね。いずれにしてもご家族が説明をして欲しい
ということなんだ。こちらも産婦人科の丸山先生には直接事情を
聞いてみるつもりなんだが、山本くん。一回このご家族の人と話
をしてもらってくれないかな。いずれは丸山先生や広川さんを
含めて話し合いをしなくてはならないと思うんだが、まずどう
いった点に不満をもっているのかそこらへんを確認しておいて
もらいたいんだ。またご家族の訴えの窓口になってもらえればと
思っているんだけど。」山本は原田の話を聞いていった。「わか
りました。ともかくご家族に一回連絡してお話を聞いてみます
ので...。」「ああ、なるべく早くたのむよ。」「わかりました。」
 山本はそういうとカルテから家族の連絡先の電話番号を確認
して手帳に記載した。

 丸山はうずたかく積み上がったカルテの山を横におきながら
外来診療を行っていた。そこに院内PHSの呼び出し音が鳴った。
 診察中の患者に丸山は「ちょっとすみません。」といって診察
を中断した。PHSの画面をみると院長からだった。何かあった
のかな?丸山はそういぶかりながらPHSの受信ボタンを押し電
話に出た。「もしもし、丸山ですが...。」「もしもし、原田です。
すいません先生忙しいところ、今いいですか?」「ええ、何か
ありましたか?」「実は先生、ちょっとお話させていただきた
いことがあって....。今日時間とれますかね?」丸山は少し
嫌な雰囲気を感じた。「ええ、午後に1件予定のカイザーがあり
ますのでその後なら時間はとれると思いますが...。」「わかり
ました。今日の午後5時半位に時間をとってもらえますかね?」
「わかりました。そのころにまたお電話させていただいた方が
いいですかね?」「いや、こちらからまたかけさせてもらいます
のでいいですよ、忙しいところ申し訳なかったね。」「いいえ、
わかりました。」丸山はそういうとPHSの通話を切った。

(次回につづく)
【2007/02/03 22:26】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(0) |
誤報(45)
 9月の初めのある日の昼すぎ、大淀病院の院長室にいた原田の
院内ピッチが鳴った。原田が電話の通話ボタンと押して電話に
出た。「はい、原田ですが.....。」「もしもし、原田先生、外線
で大村さんから電話です。」「大村さんから?」原田の頭に前の
総婦長の大村幸枝のことが思い浮かんだ。原田とも旧知の仲で
ある。引退後も何かにつけて病院に出入りしては口出しすること
もある人物である。先日、その親戚筋の女性が分娩中に状態が
悪化し、転送先でなくなったらしいということは狭い田舎の中
ではすでに知れ渡っており原田も話としては聞いていた。多分
そのことではないかと原田も想像していた。「わかった。つなげて
もらっていいかな.......。」「わかりました。そのままでお待ち
ください。」交換手はそう言って通話を切った。しばらくして
外線の幸枝と電話がつながった。「もしもし、大村です。院長
先生ご無沙汰しています。」「どうも大村さん。久しぶりです。
今日はどうされましたか?」「実は、私の姪孫(てっそん)にあた
る高橋里美という妊婦の子がね、おたくの産婦人科でみてもら
っていたんだけど、分娩中に状態が悪くなって転送先で亡くな
っているんですよ。」「そうですか......。」「それで、亡くなった
のは脳出血だったということでね、産婦人科の丸山先生は子
癇発作だといっていたのに脳出血で亡くなったというのはど
ういうことなんだとうちの親戚の連中が納得できないといって
いるんですよ。」「はい。」「ちょっと説明していただける時間を
つくってもらいたいんですけど.......。」原田は少し考えて言
った。「わかりました、今は状況がどうだったかもわからないの
で、こちらでも調査させていただいてその上で説明をさせても
らった方がいいでしょう。お話できるように時間を設定させて
もらいますので、こちらから連絡させてもらうようにしてもい
いですかね。」幸枝は原田の言葉を聞いて言った。「ええ、なる
べく早く日にちをきめてあげてください。」「わかりました。」
原田はそういって電話を切った。原田は少し考えてから秘書の
三橋に声をかけた。「三橋さん。申し訳ないが高橋里美さんと
いう患者さん。産婦人科らしいんだが、カルテを出してきて
もらっていいかな、それと危機管理の山本君にきてもらうよう
に伝えてもらっていいかな。」「わかりました。手配します。」
「よろしく頼むよ。」原田はそういってふーっと溜息をもらした。

(次回につづく)

 大淀病院の件、立件されませんでしたね。奈良県警もまだ
冷静に状況を把握してくれてよかったというところですか..。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070202k0000m040168000c.html

奈良妊婦死亡:転送先探し難航の末、立件は見送り
 奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、意識不明となった妊婦の高崎実香さん(当時32歳)が転送先探しが難航した末、死亡した問題で、奈良県警は、業務上過失致死容疑での同病院医師らの立件を見送る方針を固めた。死因となった脳内出血と、担当医が診断した子癇(しかん)発作との判別は困難で、刑事責任を問えないと判断した。今月中に遺族に捜査の経緯を説明し、最終判断する。

 病院側は問題発覚直後の会見で、「脳内出血でなく、子癇発作の疑いとした点で判断ミスがあった」と発言。県警は任意で提出されたカルテなどを基に専門家約20人に意見を求めたが、脳内出血と子癇発作は、意識喪失やけいれんなどの症状が似ているため識別が困難との意見が大半を占めた。さらに、遺体が司法解剖されず、法医学的な証拠に乏しい点も捜査を難しくしたとみられる。

 高崎さんは昨年8月8日午前0時ごろ、分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った。19病院に受け入れ不能とされた。結局、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に搬送され、男児を出産後、死亡した。【高瀬浩平】

毎日新聞 2007年2月2日 3時00分

 今回は転送先難航の末とちゃんとした日本語で記事にしてくれま
した。毎日の記者もきちっと勉強して取材して、これが病死であった
ということを理解してくれれば、遺族もさらし者にされることも
なかったし、奈良の産科医療が崩壊することもなかったのですが..。
 さすがにたらいまわしという言葉はあやまりであったということ
はわかったようです。6時間放置など明らかに病院に対しての名誉
毀損だとおもいますが、お詫びや訂正はないんですね......。

 医学的に妥当な診療行為が行われていても病死したら医者のせい
にされてしまうのは、火事で家が焼けたら、消防隊の火の消し方
が悪かったから全焼した、賠償しろといっているのと同じレベル
なのですが.....。海でおぼれている人を助けられなかったレスキュー
隊が訴えられたら、だれも命をかけてまで人を助けたいと思わない
ですよね....。家族を亡くした遺族の動揺もわかるし医者に責任を
向けたくなる気持ちはわからなくもない。だがそれを癒してあげる
どころか、スクープのために病院に対する憎しみをあおって遺族の
苦しみを倍増させただけ。遺族を利用するだけ利用して立件され
なければポイ。(まあ無理やり民事を遺族に起訴させてもっと
利用してやれと考えているかもしれないですが.....。)

  事実を捏造してもスキャンダラスな記事を書く。事実が捻じ曲げ
られていてもかまわないし、反省も謝罪もなし......。

 私は今回の事件ではマスコミは大淀病院と、なくなった方のご遺族
そして今後、路頭に迷う奈良南部の妊婦の方々に心から謝罪してもら
いたいと思います。その影響と罪の重さは納豆の捏造事件にもおとら
ないと思いますが.....。 
【2007/02/02 23:40】 誤報 | トラックバック(0) | コメント(2) |
藪医者の独り言


ここに記載されたエピソードは著者の体験をもとに構成したフィクションです。 このページはリンクフリーです。気に入ったら適当にリンクを貼っていただいて結構です。


CALENDER
01 | 2007/02 | 03
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 - - -
掲示板(気軽に書き込みお願いします)
RECENT ENTRIES
  • 芝桜の咲く丘(23)(05/25)
  • 芝桜の咲く丘(22)(05/20)
  • 芝桜の咲く丘(21)(05/18)
  • 芝桜の咲く丘(20)(05/15)
  • 芝桜の咲く丘(19)(05/11)
  • RECENT COMMENTS
  • nakano(05/03)
  • (04/30)
  • nakano(04/13)
  • (04/13)
  • KITA(02/01)
  • nakano(05/31)
  • タマ(05/28)
  • RECENT TRACKBACKS
  • 健康、病気なし、医者いらず:医師の秘密漏示(05/03)
  • 健康食品の栄養事典:プロタミンとは(02/22)
  • 医薬品のマメ知識:フルオロウラシルのマメ知識(02/20)
  • 体が元気になるならない物質:プロタミン-体が元気になるならない物質(02/17)
  • オヤジの世界:雪中花(01/04)
  • ARCHIVES
  • 2009年05月 (10)
  • 2009年04月 (13)
  • 2008年11月 (1)
  • 2008年09月 (1)
  • 2008年08月 (1)
  • 2007年07月 (6)
  • 2007年06月 (14)
  • 2007年05月 (18)
  • 2007年04月 (20)
  • 2007年03月 (19)
  • 2007年02月 (17)
  • 2007年01月 (22)
  • 2006年12月 (18)
  • 2006年11月 (14)
  • 2006年10月 (16)
  • 2006年09月 (15)
  • 2006年08月 (16)
  • 2006年07月 (13)
  • 2006年06月 (18)
  • 2006年05月 (19)
  • 2006年04月 (19)
  • 2006年03月 (21)
  • 2006年02月 (19)
  • 2006年01月 (22)
  • 2005年12月 (22)
  • 2005年11月 (24)
  • 2005年10月 (23)
  • 2005年09月 (22)
  • 2005年08月 (17)
  • 2005年07月 (22)
  • 2005年06月 (22)
  • 2005年05月 (24)
  • 2005年04月 (25)
  • 2005年03月 (26)
  • 2005年02月 (9)
  • CATEGORY
  • 春風 (152)
  • 誤報 (135)
  • 管理人雑感 (11)
  • 帰れない老人達 (3)
  • 医者という仕事 (2)
  • 不条理な結末 (7)
  • ブランド病院を求めて (6)
  • 澄んだ青空 (5)
  • 3月の木漏れ日の中で (6)
  • 雨上がりの虹 (10)
  • 桜 (6)
  • 嘘 (14)
  • 花菖蒲 (25)
  • つかめない藁 (34)
  • 百合の花 (15)
  • 約束 (52)
  • 雪中花 (84)
  • 未分類 (1)
  • 芝桜の咲く丘 (20)
  • LINKS
  • ホームページ情報配信メールマガジン「INTERNET SEEK」
  • プログ リンク&人気ランキング
  • 人気blogランキング
  • SEARCH

    PROFILE
    nakano
  • Author:nakano
  • FC2ブログへようこそ!
  • RSS
  • 上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。