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誤報(1)のエントリーは11月26日付けです。最初から読む方はカレンダーで11月までたどって26日をクリックすると誤報(1),(2)のエントリーに入れます。あとは順々に日にちをクリックしていってください。

(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
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不条理な結末(3)
 開腹し腹腔内を検索する。CTの所見通り腫瘍は胃の後壁から
膵臓に浸潤しているらしく後壁は固定されているが肝転移や
腹膜播種はない。腹腔内洗浄細胞診を行い、十二指腸を膵頭部
ごとKocher授動して下大静脈と腹部大動脈を露出して大動脈周囲
のリンパ節の腫大ないのを確認した。とりあえず見た所、問題は
膵頭部への直接浸潤だけのようだった。「行けそうですね。」
私は前立ちをしてくれていた上司に言った。「取りにいくか。」
「取っても多臓器浸潤ありのSiでstageⅢbです。厳しいとは思
いますが可能性にかけたいです。取りにいきましょう。」手術は
予定通りに行われた。術後は大きな合併症もなく彼は概ね順調に
回復していった。しかし後日戻ってきた腹腔内細胞診の結果に
私はがっくりさせられることになる。(このとき勤めていた病
院は病理医が常勤でおらず迅速細胞診はできなかったので外注
の結果が戻るのに時間がかかった。)その結果はClassⅤであ
った。それは手術時にすでに癌細胞がすでに腹腔内にばら撒か
れていることを示していた。状況は予想以上に厳しかった。
 なんらかのかの抗癌剤での治療が必要だった。
 術後2週間ほど経過し、食事もとれるようになり、大きな手
術を乗り切って安堵の表情を見せてきた彼にその旨を話さなく
てはならない。奥様もおよびしてお話の機会をつくった。「ま
ずは手術をうまく乗り切りました。本当におつかれさまでした。」
「有難うございます。どうなるかと思いましたが
なんとか先生のおかげで。」「ところで手術で見える範囲の
癌は取りきってきましたが、お腹を開けて最初にお腹を洗った
生理食塩水を顕微鏡の検査に出したのですがそこから癌細胞
が検出されています。」「それはどういうことですか?」
「すでに腹腔内、つまりお腹の中に癌細胞がばら撒かれて
いる状態であるということで、目に見えない癌細胞が残って
いるということです。これらをたたくために抗癌剤の治療が
必要になります。」彼は少し黙って私に問いかけた。「それ
で僕の病気は治るのですか..。」私は少し間をおいた。あなた
の病気は治るのが難しい。多分無理だろう。誰が好き好んで
まだ若すぎる彼にそんなことを伝えたいと思うだろうか。
 私は静かに伝えた。「完全に治すのは難しいと思いますが
できるかぎり進行を遅らせることはできると思います。現状
においてできる最善のことをさせていただきたいと思ってい
ます。」彼は少し黙ってから言った。「わかりました...。
先生、僕は死ぬのは怖くないんです。私の兄は12の時に病気
で死んでます。人はいつかは死ぬんです。人には寿命っての
があるんですからそれが早いか遅いかだけのことです。先生
が神様でないことも、それでも一所懸命やってるのも充分解
ってる。でもね先生私はまだ死ぬわけにはいかないんです。
妻と子供たちの為にもまだ死ぬわけには絶対にいかないんで
す....。」
少しでも長く効いて欲しい。再発の所見が出てきて来ない
で欲しい。私は祈るような思いで彼の化学療法を開始した。
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【2005/03/02 23:03】 不条理な結末 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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藪医者の独り言


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