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(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
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この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
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百合の花(9)
 大きなトラブルもなく、食事の摂取量も充分となり状態が
落ち着いてきたときに手術でとった標本の病理結果が戻って
きた。深達度(大腸の壁にどれだけ深く進んでいるか)は
se(大腸の壁の外側の漿膜の外まで癌が顔を出している
状態)リンパ節の転移は1群までであった。ステージ分類では
stageⅢaである。根治度Aで根治性のある手術はできていた。
 しかしながら、リンパ節の転移があるのは予想されたとは
いえ彼にとってはあまりいい話ではなかった。彼は若いし、
再発の可能性をできるだけ避けるためには抗癌剤での治療
を行う必要があると考えられた。ともかく今後の治療について
お話をしなくてはならない。私はある日の夜にご家族をお呼び
しお話をすることにした。

 面談の日、本人のご両親、彼女と彼女のご両親が訪れた。
 私は本人と彼らを面談室に招きいれた後、説明を始めた。
 「どうも今日はお疲れ様です。先日の手術後の経過は概ね
良好でした。今、お食事も充分摂取できるようになりました
し、排ガス、排便も順調で大きな問題は起こっていません。」
 彼の父親は言った。「ええ、思ったより早く元気になって
安心しております。」私はつづけた。「それで先日の手術で
とった検体の病理結果がもどってきたのですが....。」私は
少し事実を伝えるのをためらった。この事実を伝えることで
彼と彼女の人生が変わっていく可能性がある...。だが
正確な情報を伝えなくてはならない....。「腫瘍は大腸の壁
を食い破って大腸の壁の外に顔を出していました。そして
1群のリンパ節に転移を認めています。」彼は言った。「それ
はあまりいいことではないんですよね....。」私は静かに頷
いてから続けた。「今後の再発の可能性はそれなりに高いと
考えなくてはなりません。現状では目に見える範囲では
癌は取りきれていますが、再発の可能性を考えると抗癌剤
の治療が必要だと考えています。」彼女は言った。「それで
どれ位の期間治療が必要なのですか?」私は少し口ごもった
が間をおいて言った。「とりあえず2年くらいは......。」
「2年...ですか....。」彼女は絶句した。

(次回につづく)
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【2005/08/03 22:41】 百合の花 | トラックバック(0) | コメント(4) |
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コメント
nakano先生

素朴な疑問なのですが、抗癌剤などによる精子や卵子の異常が予想される場合。治療を始める前に正常な精子や卵子を凍結保存しておくというのは(一般的には?)行なわれていないのでしょうか?選択肢の一つとして、患者に提案するといったことも無いのでしょうか?

精子の凍結保存でしたら人間でも確立していますし・・・卵子でも可能ですよね。

どうも、卵子や精子の凍結保存など当たり前なというか、一般的な実用レベルの技術という環境にいたせいか、つい、「凍結保存しておけばいいのに。」と考えてしまうのです。
【2005/08/04 21:02】 URL | ふな #-[ 編集]
 ふなさんコメント有難うございました。

>抗癌剤などによる精子や卵子の異常が予想される場合。治療を始める前に正常な精子や卵子を凍結保存しておくというのは(一般的には?)行なわれていないのでしょうか?選択肢の一つとして、患者に提案するといったことも無いのでしょうか?

 これはないことではないです。すでに結婚しているカップルで希望があれば主に不妊の治療を専門にやっている産婦人科を紹介することもあります。ただこの話のカップルは結婚間近とはいえまだ結婚していない状態です。彼は治療はいまのところうまくいっているとはいえ、再発し結局若くして命を失う可能性があるわけです。それは5年たってどこからも再発がないことが確認できるまでづづくわけです。彼女の父親の言動は確かに無礼なものでしたが娘を思う父親の本音がかいま見えます。なにも病気を抱えた男と結婚しなくてもいいではないか。幸いにもまだ籍もきれいなままだし出会いはまたあるだろう。数年間病気の影におびえながら、あるいは再発してきたら死んでしまうかもしれない男に入れ込むより賢い方法があるはずだ....。情におぼれて自分から苦労をせおうことはないではないか...。どぎつい言い方をすればこういうことになります。それぞれの家族の思惑もあり、子供云々より結婚自体がどうなるかわからない状態であったため、精子の凍結保存などの話を出す状況になかったのだとご理解いただければ有難いです。

 しかしながらふなさんのおっしゃるように卵子や精子の保存は現実に可能になっているので適切だと思われるカップルにはお話することもあります。

 ふなさん貴重なコメント重ねて有難うございました。引き続く宜しくお願いいたします。



【2005/08/05 00:03】 URL | nakano #-[ 編集]
nakano先生
回答ありがとうございます。

どちらかと言うと、カップルだから子供云々という事ではなく、抗癌剤治療をするにあたって子供が産めなくなるかもしれない・・抗癌剤に限らず、治療行為によって子供が望めない状態におちいる可能性が高い、もしくは望めない、という説明は、患者にとってとても精神的負担が大きいのではないかという疑問があったのです。

若い患者さんであった場合、その時は「治療のためだから」と納得したとしても、後々、それが精神面や人生設計?にとって障害になることが出てくるのではと思ったのです。
実際はいろいろな問題というか課題があって、そう易々と提案できるものではないでしょうし、既婚で強く子供を望んでいる方には提案する場合があるというのが実際なのですね。

お疲れのなか回答くださり、ありがとうございます。こう暑いと体調も崩しがちですが、せっかくの休暇に寝込まないでくださいね。先生の休暇が有意義なものになりますように・・

とりとめの無い駄文で分かりづらいと思いますがお許しください。
【2005/08/06 01:06】 URL | ふな #-[ 編集]
 ふなさんご丁寧に返レス有難うございました。

 私の専門は消化器外科で好発年齢としては50歳以上の方がほとんどですので若い方に当たることは非常に稀です。しかしながら血液疾患(白血病など)では結構若い方が多く、血液内科の患者さんで化学療法を行う際に精子や卵子の凍結保存を希望される方も結構いらっしゃるようです。若い方の病気は仕事や家庭での様々な課題があるなかでの闘病なのでなかなか大変だと思います。

>抗癌剤治療をするにあたって子供が産めなくなるかもしれない・・抗癌剤に限らず、治療行為によって子供が望めない状態におちいる可能性が高い、もしくは望めない、という説明は、患者にとってとても精神的負担が大きいのではないかという疑問があったのです。

 ふなさんのおっしゃることは尤もだと思います。患者さんにとって非常に重要な事実をどうやって伝えるかというのはいつも我々の頭を悩ませる事ではあります。現実の正確な情報を伝える義務が我々医師にはあるわけですが、精神的な負担を軽減してあげるにはどうやって話をもっていけばいいかどの医師も悩みながらお話しています。なかなかうまくいかないものではありますが.....。

 ふなさん重ねて貴重なコメント有難うございました。引き続き宜しくお願いいたします。
【2005/08/06 23:05】 URL | nakano #-[ 編集]
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