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雪中花(12)
さらに彼女を追い詰める事件が起こる。役員であった
Nが経理の事務であるSと共謀し会社に振り込まれた売
掛金を持ち逃げしたのである。退職金の名目で一通りの
書類を作成し彼女と会社の印鑑までつかって正式に書類
をつくり会社の口座から振り落とすという手段をつかって
いた。彼女がその日、出社し自分の机に出されたNとS
の辞表と彼女の決裁の印鑑が押された書類一式をみたとき
彼女はなにがおきたか俄かには理解できなかった。
 あわててNに連絡をとる。「N常務。今朝、私の机に
おいてあった書類は一体何?なんの冗談なの?」Nは
静かに答えた。「専務。冗談ではありません。私は25年
間、会社につくしてまいりました。当然もらうべき報酬
を頂いただけです。」「なに勝手なこといっているのよ。
あの事件から退職した子達にも今こんな状況だからって
退職金だしてあげられないままやめてもらっているのよ。
 大体、会社を頑張って続けていきましょうと言ったの
はあなたでしょう?あれから1ヶ月とたっていないのよ。
 あのお金がなかったら会社がどうなるかなんてわかる
でしょう。あれは今の仕事の材料の仕入れのためと、
今残って頑張ってくれている社員達の給料のためのお金
なのよ。私の印鑑まで知らない間に持ち出してあんな書類
までつくって….。これは立派な私文書偽造と横領よ。」「その
証拠はないでしょう。あれは専務が決裁している書類です
よ。それに頂いたのは公正な退職金です。労働基準局だって
私の方につくと思いますよ。」
彼女は思った。確かに私文書偽造を証明するのは難しい
だろう。相手はかなり用意周到に経理のSとつるんで計画
を立てていたのだろう。営業と資金繰りで精一杯であった
彼女は完全に不意をつかれた感じであった。大体、今、
警察沙汰や訴訟を起こす余裕は精神的にも経済的にもな
かった。相手はそれも見越しているに違いない。「勝手な
ことばかりいって。恥を知りなさい、恥を..。」彼女は
そういって電話を切るのが精一杯であった。

(次回につづく)

 明日は当直でブログはお休みです。明後日元気があったら
続きをアップしますね。
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 先生がこのコメントを見る時は16日の夜なんですよね。nakano先生当直お疲れさまでした。今日はゆっくり休んでくださいね。このコメントに返事は結構ですので.....。また続きを楽しみにしています。奥さんはちょっと厳しい状況におかれているようですね。事態がいい方向にむかえばいいのですが.....。
とっと | URL | 2005/11/15/Tue 19:38 [編集]
 とっとさんコメント有難うございました。

>奥さんはちょっと厳しい状況におかれているようですね。事態がいい方向にむかえばいいのですが.....。

 そうですね。かなり厳しい状況になってきましたが土壇場になると男性より女性の方が強い場合もあります。彼女は苦難に対して逃げずに困難に立ち向かいます。ある意味、自殺という逃げの態度をとった夫と対照的な考え方、行動をとることになるのですが、その結果は.....。続きを楽しみにしていてくださいね。

 とっとさんコメント有難うございました。今後ともよろしくお願いします。
nakano | URL | 2005/11/16/Wed 22:00 [編集]
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