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誤報(1)のエントリーは11月26日付けです。最初から読む方はカレンダーで11月までたどって26日をクリックすると誤報(1),(2)のエントリーに入れます。あとは順々に日にちをクリックしていってください。
(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
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この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
人工呼吸器をつけてもなかなか血液中の酸素分圧は 上がってこなかった。FiO2 0.8(酸素濃度80%)ま で上げても血中の酸素濃度はかろうじて60台を維持で きるレベルであった。血圧もなかなか上がってこない。 ともかく飛んだ血栓の評価をしないといけなかった。 大きな血栓がとんで血栓除去での治療効果が望めれば 補助循環を用いて血栓除去術を行う手もあるかもしれな いが、広範に複数の血栓が血管の多くの枝を詰めてしま っているとすると血栓溶解剤でねばるしかない。岸本は 言った。「アンギオの余裕はないですね。できるとする とヘリカルCTでしょう。造影CTすれば血管の血栓を評価 できるでしょう。」しかしながらCT室に運ぶのも大変な ことであった。私と岸本はICUの看護師にも手伝ってもら って挿管チューブにアンビューバックをつなぎ呼吸補助 しながらCT室まで悟を運んだ。話を通していたCT室の技師 も手伝ってCT台に悟を乗せる。私がプロテクターを着て 悟のアンビューバックを押しながらCTの撮影を行う。 外のモニターで岸本は写し出される画像を見つめていた。 画像を見て岸本は呟いた。「shower embolismだ....。」
撮影が終わって悟をストレッチャーに移した後、岸本は 言った。「なかなか状態は厳しいですね...。肺の血管に 広範に血栓が飛んでいます。取り合えず抗凝固薬でねば って血栓が解けるのを期待するしかないですが.......。 これだけ酸素濃度あげても血中酸素濃度が上がってきま せんし、状態も状態ですからPCPS(経皮的心肺補助装置) 使って粘ってみますか。」 PCPSとは足の付け根の大腿動脈と静脈に太い管を通 して血液を体外循環させて血液の酸素交換をさせること ができる装置である。いくらか低酸素状態を改善させる ことはできるかもしれない。私は言った。「そうですね 時間稼ぎにはなるかもしれませんね....。お願いしま す。」あくまでも体外循環は全身状態の維持の補助で あり、基本的な治療は飛んでいった血栓を溶かすこと である。長期にわたって状態を維持できるわけではな い。今はヘパリンで血栓が溶けるのを期待するしかな い状態であった。だが抗凝固薬は予期しない出血を引 き起こすことがある。術後の患者に使用するのは不安 があるが仕方がなかった。「先生、お願いします。私 はまだ死ぬわけにはいかないんです……。私を必要と している人間がいるんです。まだ 死ねない…….。」 彼の手術前の言葉が頭に浮かんだ。客観的に考えて彼を 助けられる可能性はかなり低いことはわかっていた。 だがなんとか助けてあげたい。若い人だし、なんとか 治療に反応してくれ。私はそう心から願わずにはいら れなかった....。
(次回につづく)
【2006/08/31 23:37】
春風 |
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