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誤報(1)のエントリーは11月26日付けです。最初から読む方はカレンダーで11月までたどって26日をクリックすると誤報(1),(2)のエントリーに入れます。あとは順々に日にちをクリックしていってください。

(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
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春風(142)
 どうも長い間更新できなくてすいませんでした。火曜日に緊急
手術をした患者さんの状態が悪くて(もともとかなりシビアな
状態だったので仕方がないのですが)家に帰れない日が続いて
しまって更新できませんでした。今日はなんとか帰ってこれま
したがまた呼び出しがあるかもしれないと少しどきどきです。


 救急車が来る前に私は病状経過を家族に話すことにした。臨床
経過としては肺梗塞と、その後の消化管出血により亡くなったと
いうことでよいと思われたがここ数日の急激の経過から病理解剖
を勧めたほうがよいだろうと私は考えていた。大事な人を失った
家族に対して病理解剖のお願いをするのはなかなか抵抗のある事
ではあるがこのような経過の患者さんの病状経過や死因をはっき
りさせておくことは大事なことではある。だが多くの場合は断ら
れることが多い。亡くなったという事実を受け止めるのも大変な
事であるのにその上解剖をという決断を迫られても困惑するのが
普通の感覚であろう。ましてや患者さんは若い人であり周囲の人
間も死をうけとめるのは難しいことであろうと考えられた。だが
一応お話はしよう。私はそう思っていた。時間がない....。私
はご家族を面談室に呼びいれお話をすることにした。悟の家族が
面談室に入ると私は話を切り出した。「どうも今回はご家族の
方もお疲れ様でした。」「どうも先生には色々お世話になりま
した。」詩織が答えた。「これまでの経過に関してまずお話し
たいと思います。今回は交通外傷による肝損傷でこれに対して
手術を行いました。術後の経過はまずまずだったのですが、術後
4日目に肺梗塞をおこしました。心停止までいたりましたが蘇生
処置を行い、心拍は再開しています。その後肺梗塞の治療を行
っている際に消化管出血をおこしショック状態となりました。
止血術を行い経過をみましたが、再度の肺梗塞をおこしたのか
消化管出血がまた起こって急激に心停止に陥ったなどの可能性
が考えられます。」「そうですか......。」詩織は疲れきった
表情のまま答えた。「できるだけの事をいたしましたが結果と
して命を助けることが出来ませんでした。ご家族の思いを考え
るとなんと言えばよいか......。ご家族の思いに比べれば比で
はないですが我々としても非常に切ない思いです........。
 それで今回起こったことに関してしっかりと検証させていた
だければと思うのです。もしご家族のご承諾をえられるので
あれば病理解剖をさせていただきたいのです.......。」ご家族
の表情がさっと変わった。悲しみにくれる家族に解剖の話を
するのは酷な話であることはわかっていた。この上、どうして
解剖など.....、それが普通の感覚であろう。ましてやこのような
若い人である。私はきっと断られるだろうと内心思っていた。
 私は重ねて付け加えた。「もちろんこれは強制ではありません。
あくまでもご家族が承諾されたらの話です。断られても一向に
かまわないのですよ.......。」
 司郎が言った。「どうする。詩織さん。あなたが決めてくれ
ていいよ.......。」司郎の言葉をうけて詩織は少し考えていた。
 重い沈黙が面談室を覆った。
 詩織は言った。「先生。わかりました。解剖お願いします。」
 私は内心驚いていた。断られるとばかり思っていたのだから。
 だがその後に詩織が私にかけた言葉は私をより驚かせた。
「先生も手術から何日も泊り込みで本当にお疲れでしょう。この
解剖が終わったらゆっくり休まれてください。」なんということ
だろうか.....。悲観にくれて愚痴の一つもこぼしたいであろう
状況であるのに彼女は健気にも私に気遣いをしてくれたのである。
私は以外な言葉に返す言葉を失っていた。

(次回につづく)
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【2006/11/04 23:45】 春風 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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藪医者の独り言


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