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誤報(77)
 白石は言った。「記者さん。申し訳ないですが、個別の患者
さんの情報について我々は勝手に第三者に情報を伝えることは
できないんです。ご家族や本人の同意がないと......。今日いき
なりその患者さんのことを聞かれても病院側には守秘義務があ
るので....。診療のために必要で教えていただいている個人情
報を勝手に外に漏らすわけにはいかないので.....。」「そうで
すか。この患者さんの件について丸山先生にもご意見をいただけ
ればと思っていたのですが......。じつはうちの新聞社にこの
ようなものが届けられましてね....。」島田は高橋里美のカルテ
のコピーを出した。「これは.....。」いったい誰が......。
カルテのコピーを渡したのは高橋里美に家族だけだったが...。
院内に勝手に新聞社にカルテのコピーを送った者がいるのか?
そうだとするとそのことが情報管理として問題だが.......。
青山が続けた。「その患者さん、事務長さんはご存知ですか?」
「今言われてもわからないですね。一体どこから届けられたん
ですか?」「病院内部からが一番考えられやすいでしょうが、
我々もわからないんです。匿名でとどけられたのでね。」「うち
の内部からだとすると大問題です。個人の患者情報が勝手にもち
だされたということですから。我々の情報管理が問われる事態
です。」「いずれにしても、病院内だとすると何か経過に問題
があると考えたスタッフの内部告発になるかと思うんですが。
その患者さん、分娩途中で急変して亡くなっていますね。8月
6日にに転送されて、8月16日に国際国立循環器センターで亡く
なっている。病院側に手落ちがあったんではないですか?それ
を病院側が隠蔽しようとして内部から情報が漏洩したと考える
のが妥当でしょう。」「いずれにしても突然このような物を
出されてもこちらとしては何も準備をしていないので。今日は
当院の産婦人科医療についての取材と聞いていましたのでね。
今、その患者さんに関して我々はお話できることはありま
せん。」「ではあらためて日を変えてお話できますか?」青山
が高田の方を向いて言った。高田は青山の方に向いて答えた。
「病院側としては患者さん個人に関しての情報を勝手に新聞記
者にお話することはできませんので少し検討させていただいて
から返事をさせてください。」最初からここを突っ込みたかっ
たくせに.....。高田はいまいましく思いながらそう言った。青
山は言った。「なるべく早くおねがいしますね。早くしないと
面倒な事になるんではないですか?」「それは脅しですか?」
「いいえ、隠蔽しようとすると色々問題が大きくなるのでは
ないかというアドバイスですよ。」青山は少しにやっとして
言った。

(次回につづく)
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