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誤報(83)
 「患者さんの家族の連絡先がわかったって?ほんとうか?」
島田は電話口で言った。「ええ、大吉野郡の葬儀社に当たって
高橋里美の連絡先をつかみました。」「連絡先に間違いはない
のか?」「間違いないです。実際連絡とってみたところ旦那さ
んが電話に出ました。取材は是非受けたいということでしたの
で明後日、お伺いする約束を取り付けました。」「でかした。
青山君。」「支局長にも伝えておいてください。」「わかった。」
そう言って島田は電話を切った。島田は井出に言った。「青山
君が家族の連絡先をつきとめたそうです。電話で旦那さんと連絡
がとれたとのことで、取材の約束もとりつけたそうです。」
「そうか、それは良かった。家族に話をきけば事の顛末がもう
少しはっきりするだろう。病院側の誤診がはっきりすればこれ
は記事にできるな。島田君も青山君といっしょにこの件を
つめていってもらっていいかな。」「もちろんです。大切な
スクープですから......。」島田はそう答えた。

 その日の夜、外出先から帰ってきた英雄に大輔は言った。
「お帰り、父さん。」「ああ、ただいま。」「父さん、実は
今日、毎朝新聞の青山とかいう記者から電話があったよ。なん
でも里美のことについて話が聞きたいっていうことだったけど。」
「ふん、ようやくたどり着いたか.....。」「父さん、何か
言った?」「いやなんでもないよ。里美さんのことを聞きた
いって?新聞記者がかい?」「ああ、そうなんだ。経過に
ついてご家族から話を聞きたいっていうんだ。それで一応
明後日の午後6時ごろなら大丈夫って返事しておいたけど、
父さんもその時間なら家に帰ってこれるよね?」「ああ、大
丈夫だと思うよ。」「じゃあ、そのつもりでいてね。」「わか
った。」「でもなんで新聞記者がわざわざ家なんかに取材に
くるのかねえ。」雅代が少しいぶかしげに呟いた。「まあ
それはわからないが、うちにとっては害のある話じゃないだ
ろう。まあ、取材をうけてみて考えるさ......。」英雄は
つぶやくように言った。

(次回につづく)
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