FC2ブログ
ここに記載されたエピソードは著者の体験をもとに構成したフィクションです。 このページはリンクフリーです。気に入ったら適当にリンクを貼っていただいて結構です。

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

誤報(92)
 丸山はいつもの通りに夕方の病棟の回診を行っていた。例の
脳出血の妊婦の転送の一件について新聞にでていたこと、今日の
午後に院長らが病院側の記者会見を行ったことは知っていた。
 新聞に書かれたことで外来でも「先生、なんか患者さんを放置
して死なせてしまったんですって?新聞にでていましたよ。」「こ
れから妻が出産するのに大丈夫なんですか?」などど丸山に診察
中に詰め寄る患者や家族がでてきていた。20数年もこの地域の為
にやってきた。忙しいけれどもこれからもこの地域を地域医療を
支えていかなくてはという思いで頑張ってきた。そうやって長年に
わたって築き、地域の患者さんと培ってきた信頼関係があっという
間にて崩れ去っていくのを丸山は感じていた。心なしか病棟の看
護師たちの表情も硬かった。彼女達も今後どうなっていってしまう
のか不安なのだろう…….。だが、なんとか踏ん張らなくては…..。
 私が今しっかりしなくてどうする……。実際、私はあの時この
施設でできるだけのことはしたのだから..…..。竹内先生にも協力し
てもらって……..。院長も記者会見で病院には落度はないというこ
とを重ねて強調する。丸山君心配しないでくれといってくれてい
た。時間はかかるかもしれないが事実がわかれば、時がすぎれば
もとの信頼関係をとりもどすことができるにちがいない……。足
元から何かが崩れていきそうな気持ちになりそうになる自分自身
に対して丸山はそう言い聞かせていた。
 病棟の食堂の前を通ったとき丸山はテレビに映った画像をみて
足が止まった。それは夕方のニュースの一画面であった。「N県
川淀病院で脳出血を見逃され、34歳の妊婦が死亡していたことが
今日明らかになりました。」そのアナウンスの後に病院側の記者
会見のビデオ画像が流された。「そうですね。結果的には診断ミス
はあったわけですが…..。」そこには丸山に病院側には落度はない
と強調するといっていたはずの原田の画像が映っていた。
(次回につづく)

 青森の学会は無事に発表を終えて一息つきました。すこしのん
びりしながら更新しています。青森も今日は天気はぐずついてい
ました。傘買って、病院のスタッフにお土産買って、荷物がかさ
ばって仕方ないです..。
スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 藪医者の独り言. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。