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誤報(108)
 「しかしながら脳出血とわかれば治療の内容も変わった
のではないですか?それで患者さんが助かった可能性が
あるのではないですか?」「脳出血に関しての予後は私
にははっきりしたことは専門でないので言えませんが..。」
「それに関しては私が説明します。」原田が言った。「脳外
科医の一般的な臨床の経験からは発症数時間で呼吸障害が
生じるような脳出血とすると、脳幹部といわれる生命を維持
する部分がやられたということになります。脳ヘルニアと
いって頭蓋骨の中の圧が高まって脳が頭蓋骨の外に押し出
されるような状態が発生していたものと考えられます。こ
のような脳出血の患者さんはまず手を尽くしても助かる可
能性は低いと思います。当院で脳出血と診断がついても
お母さんを助けられた可能性は低いと思います。むしろ
分娩最中の脳出血となれば受け入れてもらえる施設はほとん
ど皆無だったと思います。結果的には子癇発作を疑って
転送先をさがしたことで転送先が見つかったと考えます。」
「脳出血に関しては診断がついていても結果は変わらなか
ったということですか?」「ええ、むしろ結果からは診断
がつかなかったことがむしろ患者さんにとってはこの場合
はいい方向にころんだとさえ言えるのではないでしょうか。
転送先がみつからなかったら、お子さんも助けられなかっ
たはずでしたから........。」その後も本山は丸山に質問
をぶつけたがいずれも丸山は自らの立場を冷静に主張して
いった。一通りの問答が終わった後、本山が言った。「大
体の病院の方々のお考えは理解いたしました。今日はこれ
くらいにしたいと思います。カルテ一式に関しては捜査に
使用したいと思いますのでしばらく当方にて管理させてい
ただきます。よろしいですね。」本山の言葉に原田は言っ
た。「わかりました。」

(次回につづく)
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