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誤報(124)
 県警が立件を見送ったことで、毎朝新聞の当初の記事の正当性
は著しく失われた。すでに最初の報道から3ヶ月半が経っていたが
N県支局に送られる抗議のメールやファックスは立件見送りの報道
がされてから倍増した。

『ウソで塗り固められた大スクープでジャーナリズム大賞を受賞さ
れた青山絵美さん、井出支局長。どうします?立件見送りになり
ましたよ。警察の捜査では全く犯罪性はなかったようですよ。確か
あの報道の後、地元の産婦人科医医会がこの医師に過誤なしと会見
を開いたのに、専門家の意見を無視して記事の訂正もせず煽りつづ
けていましたよね。もう忘れてしまいましたか?私達は忘れません
よ。あなた方に散々無実の罪で殺人者扱いされた産科医はあなた方の
裏づけのない思い込みの報道で風評被害をうけ産科を止めました。
N県南部の唯一出産が出来る施設がなくなりましたよ。毎年、200件
のお産を扱っていた施設が無くなってしまいましたよ。地元の妊婦
さんたちはどうされるのでしょうね?いったいどう責任をとるおつ
もりですか?

2月2日の記事みさせていただきました。今回だけ何で「転送先探し
が難航した末、」って書くんですか?いつもどおり「たらいまわし」
って書いてくださいよ。さすがに罪の意識が働きましたか?

 カルテをきちっと解読できるだけの知識もなく、きちっとした
裏づけもとらず、思い込みだけで記事を書いてしまってもいいので
すか?その上、賞なんかもらっちゃってずいぶんうれしそうじゃな
かったですか?無実の医師をたたくだけたたいておいて、その報道
によって起こった結果について新聞は責任を負わなくていいのです
か?それじゃ酒場の酔っ払いの戯言と変わらないですよ。

 言わせてもらっていいですか。「恥を知れ!」』

 井出は送られてきたファックスの1部を一読すると椅子から立ち
上がりファックスをくしゃくしゃにして屑箱に思いっきり放りこん
だ。怒りで息が荒くなっていた。少しして椅子にどかっと座りこ
む。「島田君。」井出はデスクのそばにいた島田に声をかけた。
「はい、なんでしょうか?」島田は井出の近くに来た。「例の川淀
病院の遺族の....。高橋さんだっけ?」「ええ。」「民事訴訟を
起こす気がありそうなのか?」「いや、それはなんとも言えません
が.....。」島田は口ごもった。

(次回につづく)


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