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誤報(126)
 大輔と英雄は弁護士の石山の事務所にきていた。資料をめくって
見ている石山に英雄は言った。「どうですか、先生。警察は立件を
あきらめたようですけど........。」石山は資料をテーブルの上に
おくと言った。「正直なところ、刑事事件にならなかったのは少し
痛いですね。警察が動くとなれば、かなり強制的に病院から資料も
押収できますし、イメージ的にも病院側に悪い印象を与えられる。
 少なくても警察が動いたとなれば、病院が何か悪いことをしたに
ちがいないと一般の人は思いますし、そういう世論が形成された
方が民事の裁判でも有利ですからね。マスコミも医師の不祥事となれ
ば飛びつきますから非常においしかったはずなんですが。刑事事件
にしてもらって、執行猶予付きでも有罪判決をだしてくれれば民事
はずっと楽になりますしね。」「で、警察が立件しないとなると
裁判は難しくなるんですか?」「裁判ができないということではな
いですよ。ただ、警察が立件しないとなると、犯罪性はないという
ことになりますからね.......。何をもって損害賠償の請求をする
かというところが難しくはなったということです。基本的には
脳出血を子癇発作と誤診したことで、どの程度の損失を遺族やご本人
に与えたかということになるのですが、これをきちっと証明するの
は難しいでしょう。警察もかなりの数の専門家にあたったようです
が、その診断が違ったとしても状況からは仕方ないことだというこ
とだったようですから.....。」「そんなの同業者のかばいあいに
決まってますよ。CTとれば脳出血はわかったはずだし、脳出血と
わかって処置をすれば里美は助かったはずなんです!」大輔は言
った。「まあまあ、高橋さん。助かったにちがいないということ
を証明しなくっちゃいけないんです。それが難しいんですよ。」
石山は大輔をなだめるように言った。

(次回につづく)
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