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誤報(129)
 10月のあの報道から大輔や英雄は新聞や雑誌、テレビの取材で
引っ張りだこになっていた。社会が狭い田舎でもあり、当初は病
院との話し合いの中で補償の交渉を続けるつもりで、裁判などは
考えていなかった彼らも取材陣が撮りたいと考えている、「医療
ミスの被害者である弱者である被害者」の像を繰り返し演じるよ
うに取材のたびに要求され、カメラの前で感情的に涙を流したり
して、「やはり裁判しかないですよね.....。」などと言わされ
ているうちに次第にその気にさせられてきていた。テレビに映さ
れている自分達をみてやはり裁判を起こして病院と戦わなくては
いけないと考えるようになってきたのである。ある夜、食事をし
ながら大輔は英雄に言った。「なあ、親父.....。里美のために
もやはり病院と戦っていかなくちゃならないんだよね。」つぶやく
ように言った大輔に英雄は答えた。「ああ。病院側は院長が
ミスはあったと記者会見で言っているんだ。あとから色々ごまかし
たって、事実はかえられないさ.....。実際、里美ちゃんが死んで
いるんだしな....。ともかく病院に誠意をみせてもらうまではな
んとか戦っていかないといけないさ。裁判もやむをえないさ....。
あの弁護士もこの事例なら判例からみても1億ちかくは要求でき
るだろうと言っていたし、養育費を確保するためにも頑張って
いくしかないだろう。マスコミもほとんど我々に同情的に扱って
くれているしね。」「まあ、弁護士さんも、今回、刑事事件は
見送られたけど、他にも刑事訴訟をおこす方法も考えている
からと言っていたしね。まあ、弁護士にいうようにやっていけば
とりあえず間違いはないだろうし......。」大輔はそう言って
ふーっと息をついた。

(次回につづく)

 明日は当直で更新お休みです。
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