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大野病院事件無罪.......。検察は控訴しないでほしい......。
 どうも御無沙汰していました。色々忙しく、転勤もあったりでブログ自体もお休みしていました。
 1年以上、放置状態になっていてすいませんでした。今もまだ忙しくて持続して更新する余裕がまだなさそうなのでどうしようかと思っていましたが、今日は大野病院事件の地裁の判決がでましたのでそれに対しての雑感をアップしたいと思います。

 まずは亡くなられた妊婦様のご冥福を心からお祈りします。

 今回の判決の骨子は以下の通りでした。

【判決骨子】

 一、被告の加藤克彦医師は無罪

 一、子宮に癒着した胎盤のはく離を継続したことは標準的な医療措置

 一、胎盤はく離を中止する義務はなかった

 一、被告が警察に報告しなかったことは医師法違反罪に当たらない



 今回の事件は患者さんに関しては病死と考えられます。大まかな経過は

・妊婦さんに前置胎盤が分かったので出産時の危険性を説明して医大などの設備の整った施設での分娩を勧めたが、ここの病院での分娩と子宮温存を希望した

・希望に沿って大野病院で出産することになったが、予見できなかった癒着胎盤が存在して力を 尽くして処置したが、子宮温存は困難と判断して摘出行いなんとか救命できたかと思った直後に 心停止に至り、母体を助けられなかった →出血性ショックではなく肺梗塞や羊水塞栓の可能性もあったようです(これは不可抗力)

・病院・医師の処置や判断や手続きに過誤は認められなかったが、不幸な結果に至ったことに対して 遺族に全く償いがされないことはあまりに非情ではないかと病院内部で検討して”、過誤”があったことにして病院から賠償金を支払う決定をした

・遺族はそれでも執刀した医師に対する恨みは消えず、遺族とともに墓参りに同行した際に墓前での土下座を要求し医師はそれに従った

・福島県警・福島地検は”医療過誤あり”との病院から遺族になされた報告に業務上過失致死罪が適応されると判断・母体死亡から一年以上経過してから、妻の出産を控えている時期に医師を逮捕

・マスコミが医療過誤として報道するが、癒着胎盤という疾患の難しさを知る医療界は全国で不当逮捕ではないかと疑問の声が出る

・しかしそのような抗議を無視して地検は起訴を決定

 医療界は横浜市立大の患者取り違え事故に関しては報道や判決に抗議することはありませんがこの事件に関して抗議しています。それはそのままでは母子共に死んでいたはずの状態を母体は助けられなかったがなんとか子供は救ったというむしろ感謝されてもいいはずだったのに、母親は病死であったはずであるのに事故あつかいされ、犯罪扱いされたことにあります。マスコミの報道をみると病態を理解できないのに遺族の一方的な見解を流し、どうしても医療界が圧力をかけて事件をもみ消したという印象操作をしたいようですが、遺族の意見や見解がもしかしたら思い込みだけかもしれない。かならずしも正しいとはかぎらないかもしれないということを考えるべきであると思います。

 地検も求刑禁固1年、罰金10万円ということで裁判の経過の中でこれは正直、起訴は失敗したなと思ったのだろうと思います。地検が起訴しなければK医師は遺族に謝罪し、病院は慰謝料を遺族に払い民事で収まったはずだったのです。いたずらに地検が起訴したがために遺族と病院、医師との溝は埋まらないものとなり、病死でさえ結果責任が問われる、罪人にされてしまう可能性があるという恐怖感から全国的に医師は第一線から去っていくことになりました。外科医である私も日々怯えながら医療を行っているというのが本当のところです。地検は控訴をやめこれ以上医療界をかきまわし、当事者の方々の傷を深める事をしないでくれるように心から願っています。

 また少し余裕ができたら定期的な更新をしたいと思います。すいません。
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