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芝桜の咲く丘(5)
 川越製作所は従業員100人程度の中規模な会社で主に車のトランスミッションの部品を作成していた。主な商品の納入先は山内ディーゼルである。木下雅哉は38歳で川越製作所の開発部に所属しており、主任として製品の金型の設計や試作トライを行っていた。仕事は熱心で評価も高い。雅哉はパソコンの端末で設計を行っていると部長の富岡が声をかけた。「木下君、例のミッションシャフトの金型の設計の方はどんな感じだい?」雅哉はモニターから顔を上げると富岡の方を向いた。「大体予定どおりに進んでいます。今月中には試作にもっていけるかと思います。」「まあよくやってくれているよ。奥さんが亡くなられて娘さんと二人でずっと暮らしているんだから…..。娘さんは今いくつだっけ。」「11ですね。丁度今、小学校5年生になります。」「娘さんが生まれた時に日だちが悪くって亡くなられたんだって?11年間もよく男手ひとつで育ててきてるね。それで仕事もしっかりできるんだからたいしたもんだよ。」「いやそんなことないですよ。うちの娘の母親ににてよくできた子なんで助かっているんです。最近はしっかりしすぎてて僕が頭があがらないくらいなんですから……。」「まあ、無理しないでくれよ。ここのところ娘さんのために一回家に帰ってから娘さんが寝てからまた会社にきて仕事しているみたいだから…..。」「まあそうはいっても仕事ですしね。期限はきまっているので仕事はこなさないといけないし、当社の開発資料を社外に持ち出して家にもって帰るわけにもいかないですから….。」「まあそうだな。それで、うちの大将の娘さんとはうまくやっているのかい?」「部長、まだ業務中ですよ。あくまでもあちらは好意だと思っていますから…..。」「そうはいってもうちの大将も結構乗り気みたいだよ。娘さんも30代後半でそろそろ年頃とはいえない感じのようだしね。」「部長、あまり余計なこといわないでくださいよ。うちは11の娘もいるし、そんな簡単な話じゃないんですから。」「でも君もまんざらではなんだろう?態度があいまいだとうちの大将もだまってないんじゃないか?」「他人事だと思って興味本位で勝手に話を決めつけないでくださいよ。いい方だとは思っています。でも自分には自信がまだないんです…..。」そういうと雅哉はモニターの方に向かった。富岡は肩をすくめるとその場を立ち去った。
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