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芝桜の咲く丘(10)
 「どうもまたせたね。」元村は入ってきた堀山にそう言った。「いえ、大した時間でもありませんでしたし.....。」「まあ、かけたまえ。」そういって元村は堀山に椅子をすすめた。「ありがとうございます。」そういって堀山は席についた。「こちらが報告書になります。」そういうと、堀山はカバンがら書類一式を取り出した。「ありがとう、御苦労様。」元山はそういうと渡された書類をめくりはじめた。「それで、トロッター=パートナーズはやはりうちにTOBをかけてくるのは確実のようなんだね。」「ええ、まずまちがいなさそうです。」「まあ、私のところにも内密に話がきていることだらか相手は本気なんだろうがね。内部工作をしてこれが成功すればそれなりの見返りを保障するのでどうだろうかということではあったんだが.........。」「常務はどうされるんですか?基本的には会社を守る方向で考えてらっしゃるんでしょう?この状況だと、急いで取締役会を開いて早急に対策を練る必要があるでしょう。それに今、ボルディック社との提携の話もすすんできているんですよね。この時期にかき回されてはたまらないでしょう。」「まあ、私にとっては悪い話ではないんだ。少なくとも波風立たせず定年までつとめてもらえる給料の数倍の報酬は保障するといってきているからね。それに丁度、君も言ったとおり、うちの業績もここのところ落ち込んできていて社長は積極的にドイツのボルディック社との資本提携話をすすめてきているところだからね。実質、子会社化される可能性が高いことを考えると大幅な人事刷新がおこなわれる可能性も高い。社長は創業者一族だし、まあなんらかの名誉職は与えられるだろうが、取締役連中は内心穏やかではないだろう。うまく取締役連中をとりこめれば私の主導で話をすすめることができるだろうし。」「でも彼らは基本的には山内ディーゼルのもっている技術や資産の切り売りが目的でしょう? 株価も結構下がってきていてPBRも1を切ってきているので買い時と踏んだんでしょうが........。会社にとってはまだトロッター=パートナーズよりボルディク社との提携の方が建設的な結末となりそうな気がするし、社員だって納得しないでしょう.......。」「だから彼らは獅子身中の虫として私に白羽の矢をたてたのさ。」「それでは、常務は.....。」「まあ、魚心あればみ水心さ、必要とあれば君にもまた協力をお願いするよ。」「わかりました。ご依頼いただければ仕事はさせていただきます。この話は何もきかなかったことにしておきますので、また報告書みていただいて、なにかご不明な点があればまたご連絡ください。」堀山はそういうと席を立って、元山に一礼した。
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