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芝桜の咲く丘(14)
 どうもここのところ忙しくなって更新が途絶え気味で申し訳ありませんでした。引き続きお願いします。

 秩父のホテルは小高い山にあり、秩父の町が一望できた。雅哉はシングル1室とツイン1室をとっていた。幸美の希望もあり、雅哉がシングルで、京子と幸美が一つの部屋に泊まることになっていた。夕食を終え、入浴したあと、幸美と京子は部屋にもどってきた。自動販売機で買ってきた清涼飲料水を飲みながら2人はテレビをみながらくつろいでいた。ふと幸美が言った。「ねえ、京子さんはうちのお父さんのことはどう思っているの?」突然の幸美の問いに京子は少し驚いたが、少し考えて言った。「素敵な人だと思っているわよ。お仕事もしっかりしていらっしゃるし、なによりも幸美ちゃんをしっかり育ててこられたわけだし、なんていうのかな。一緒にいるとほっとする感じかしら......。」「京子さんはお父さんと一緒に......。つまり、私のお母さんになってくれる気持ちはあるんですよね。」幸美が真剣な眼差しで京子を見て言った。京子は一瞬返答に困惑したが、一息ついて言った。「幸美ちゃん、あのね。私はもし、お父さんと幸美ちゃんが私を受け入れてくれるというのなら喜んでそのつもりはあるのよ。でもね、お父さんと幸美ちゃんがずっと積み重ねてきた時間と世界があるし、亡くなられた幸美ちゃんのお母さんへの思いもあると思うの。私はそのつもりでも、2人の世界に無神経に入っていくわけにはいかないと思っているのよ。」京子の答えに幸美は少し黙ってから言った。「私は、京子さんの事、好きですよ。京子さんならうまくやっていけると思ってます。」「幸美ちゃん.......。」「京子さん。お父さんもきっと京子さんのこと好きだと思うんだ。京子さんといっしょにいるとお父さん楽しそうだし.....。それに私も父さんの相談相手になってあげられるけど、大人の色々な悩みって相談相手になる人がいないじゃない。たぶん、父さんも口には出さないけどさみしいと思ってるにちがいないんだよね。ねえ、京子さん。3人で家族になるって素敵だと思わない?」「幸美ちゃん。幸美ちゃんの気持ちはとてもうれしいわ。そうなるととても素敵ね。私もそうなるといいと思っているわ.......。そうね、私は幸美ちゃんのいいお母さんになれるかしら.....。」「それよりか、わたしが好い娘にならないといけないですね。」幸美の言葉に京子はすこし涙を浮かべて言った。「ありがとう、幸美ちゃん。あなたは私にとってお父さん以上に大切な人よ.........。」

 雅哉は別室で一人でぼんやり秩父の夜景を眺めていた。(あれから11年か、経ってしまうと早いものだな......。)そう考えてふーっと息を吐いた。(里美.....。君もこの空のどこかからこの夜景を眺めているのかい?今でも君の存在は僕の中では大きいままだ。幸美という宝物を残してくれたことに本当に感謝しているよ......。)缶ビールを一口飲んだあと雅哉はつぶやいた。「里美、新しい恋をしようかと思っているんだ。幸美のことも大切にしてくれているし、幸美もなついてくれている人なんだ........。僕にはもったいないくらいの人さ............。君は許してくれるだろうか.......。」
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