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芝桜の咲く丘(15)
 その日は空もきれいに晴れ上がった日だった。指定の駐車場に車を止め、羊山公園までのバスの中に3人はいた。「いや、やはりすごい人出ですね。」すし詰め状態のバスの中で京子は言った。「そうなんですよ。毎年こんな感じですね。道も結構渋滞しますしね。」雅哉は答えた。「今日は結構暖かいし、人出もすごいから京子さんもばてないようにしてね。」そう言って幸美は京子に微笑んだ。

 バス停から芝桜の丘までは少し距離がある。なだらかな上り坂をのぼっていくと丘の入り口の近くに出店が出店していた。臨時に設けられた受付で入園料を払って園の中に入っていくと鮮やかな芝桜が満開に丘一面に咲いていた。「これは見事ですね。幸美ちゃんのお母さんが好きでいらっしゃったのもわかるわ。」「そうでしょう。京子さん。私も好きなんだ。年によっては来たとき、まだ咲いていなかったり、枯れてきちゃっていたりすることもあるんだけど、今年はいい時期みたい。いままでで一番咲いている感じ。」「そうなのね、素敵だわ。」「2人ともこちらを向いて、写真とりますから。」雅哉の声に2人は振り向いた。人の流れにそってすすみ、時々写真をとって芝桜の丘を一通り回った後、丘を一望できる高台のベンチを確保して3人は座った。ペットボトルのジュースを飲んで一息ついたあと幸美は言った。「ちょっと私、花の近くで写真とってくるね、向こうからこっちの父さんと京子さんの写真もズームでとってくるから。」といって幸美が立った。「人が多いから気をつけてね。」京子が幸美に声をかける。「大丈夫、大丈夫。」そう言って幸美は京子に微笑むと京子に聞こえないように雅哉に耳打ちでささやいた。「お父さん、しっかりね。」雅哉はだまって軽く頷いた。「じゃ、いってくるよ。」そういって幸美は道を下りて行った。「幸美ちゃん、元気ですね。」「ええ、それだけが取り柄の娘ですから。」「いえ非常にしっかりしていますよ。時々関心させられます。」「そうですか、それを聞いたら幸美も喜びますよ。幸美も京子さんの事が好きだから。そして......。」「そして.....。どうされました。」「私もあなたの事が好きです。」雅哉の言葉に京子ははっとした表情を浮かべて雅哉を見た。京子は胸が高まり、少し自分の顔が赤らんだのを感じた。「私も、木村さん......。雅哉さんのことが好きです......。」京子の言葉に雅哉は少しほっとした表情を浮かべた。「京子さん。もしよければ、僕でよければいっしょになることを前提にお付き合いさせていただきたいんですが.......。幸美も京子さんならって言ってますし....。」雅哉の言葉に京子は言った。「雅哉さん。私はその言葉をずっと待っていました。私なんかでよければ喜んで..........。」京子の言葉を聞いて雅哉はやさしく京子の肩を抱いた。
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