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芝桜の咲く丘(18)
 新型インフルエンザの国内発生が確認されましたね。私の勤めている病院でも今後の対策についての検討会議がなされはじめています。この夏はともかくとして、秋から冬にかけては季節性のインフルエンザといっしょになって蔓延すると思われるので心配ですね。それと別に外科の仕事も忙しくなってきており投稿が空くこともあるとおもいますが、無理のないようにつづけていきますので今後とも読者の皆様お願いいたします。


 詩織はテーブルのレシートを取って会計に向かった。幸助はテーブルに向かい詩織に背中を向けたまま言った。「なんだよ。自分だけいい子ぶりやがって!」詩織は幸助を無視して会計を済ませて店を出た。外は小雨が降っていた。その雨の中を詩織は傘もささずに駅へ足早に歩きはじめた。

 筑駒大学時代、雅哉と里美、詩織と幸助は同じテニスサークルにいた。詩織は昔、雅哉に思いを打ち明けた事を思い出していた。家族旅行に行ったお土産を取りに来て欲しいと雅哉を呼び出した詩織は、近くの喫茶店に雅哉を誘って連れ出した。サークルの事や大学のこと、旅行に行った九州のことなど世間話をして、すこし話が途切れたところで詩織は言った。「あのね、突然でびっくりするかもしれないけど、私、木下君に伝えたいことがあるんだ。」雅哉はすこしきょとんとして言った。「なんだよ光村、そんな改まって.....。」「あのね、私、木下君のことが好きなの。できればお付き合いできないかなって.......。」雅哉は詩織の顔をじっとみてから言った。「光村、すごい気持ちはうれしいよ。僕も光村のこと嫌いじゃないし......。君はすごくかわいいし、魅力的さ。だけど.......。」「だけど?」「今、だれかと付き合いたいっていう気持ちにはなれないんだ。」雅哉のことばに詩織は少し間をおいて言った。「里美の事ね。」「いや、そういうことではないんだよ。ただ.....。」「木下君も知ってるでしょう。里美は堀山先輩と付き合っているのよ。」詩織の言葉に雅哉は少しさみしげに言った。「ああ、それは知っているよ.......。」

 木下さんも馬鹿ね........。詩織は心の中でつぶやきながら歩いていた。馬鹿だけど、あなたは強い人よ、好きな人のために一途になれて.........。私にはできない事だったわ。人をそんなに強く愛せるなんて..........。だから私はこんな下らない女になってしまったのかもしれないけど.........。里美も男を見る目がなかったわよ。堀山なんてくだらない男といっしょになって.......。木下さんなら里美のことあんなことにさせなかったでしょうに........。忘れかけた思いがよみがえってくるのを詩織は感じていた。
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