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芝桜の咲く丘(20)
 「今度の日曜日はどうするんだい。」章は朝食のパンをたべながら京子に聞いた。「雅哉さんと幸美ちゃんとショッピングモールに買い物にいくつもりよ。」「そうか。木下君とはうまくいっているようだね。父さんとしては嬉しくもあり、寂しくもあるな。」章の言葉に京子は言った。「お父さん......。でも雅哉さんといっしょになることは賛成してくれているんだよね。」京子の言葉に章はふーっと息をついて言った。「ああ、母さんも先に逝ってしまったからさみしくないといったらウソになるけどね。でも京子が幸せになるんならそれが一番さ。木下君は職場でも評判いいしね。京子が好きになった人なら反対はしないよ。それに新しい家族が増えるんだ。いきなり義理とはいえ孫までできるんだから、その幸美ちゃんだっけか。その子もお前になついているというしな。」京子は章に微笑んでから言った。「そうなの.....。でも父さんにそういってもらって私もうれしいわ.......。」「そうか........。それで、いつか家に挨拶につれてくるのかい。」「うん、正式にお付き合いするのだから、はやくご挨拶には伺いたいとは雅哉さんも言っていたわ........。」「そうか.........。母さんが生きていたら喜んでいただろうにな。」「大丈夫よ。母さんだってきっと喜んでいてくれるわ。また雅哉さんと話してみて日にちの予定を立てたら相談するわ。父さんも忙しいしね。」「わかった。その日を楽しみにしているよ。」章はそう言ってほほ笑んだ。

 会社の経営会議が終わったあと、開発部部長の富岡は章に声をかけた。「社長、それで例の工具の発注は予定どおりかけさせていただきますので。」「ああ、富岡君、よろしく頼むよ。工程に遅れがないようにして欲しいのでね。」「わかりました。それで、また全然別のことなんですが......。」「ああ、どうかしたかい?」「うちの木下の事ですが、なんでも京子さんとつきあっているということなんですが。」「ああ、そうらしいな。」「社長の身内になるかもしれないんですね。」「ああ、たぶんね。」「その、職場での木下の扱いはどうしたらよいでしょうか?」富岡のやや困惑した表情をみて章は思わず笑ってから言った。「余計な気遣いはいらないよ。いままで通りでいいさ。むしろ身内になるかもしれないからこそ今まで以上に厳しく評価してもらったほうがいいさ。そうしないと木下君だってやりづらいだろう?」富岡は章の言葉に少し安堵の表情を浮かべた。「そうですね。これは全く失礼なことを......。すいません。社長、余計なことを言ってしまって.......。」「ああ、いいよ。富岡君は少し気をまわしすぎだな。」章は笑いながら言った。
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