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芝桜の咲く丘(21)
 新型インフルエンザが関西で猛威をふるっていますね。私は関東の病院にいますが国内封じ込めの状態が失敗に終わり、蔓延期に入りつつあることから感染の専門施設ではないのですが発熱外来の設置が検討されていて騒然としてきています。蔓延状態でインフルエンザの患者さんが増えると待機手術も中止にすることも検討しなくてはならなさそうで医療現場も緊張の度合いを増しています。これだけ関西で蔓延すると潜伏期も考えて1週間前後で関東でも一気に患者さんが発生する可能性が高そうですね。

 「社長、川越製作所の川越社長がお見えです。」インターフォン越しの二宮の声に吉男は答えた。「わかった、お通ししてください。」「わかりました。」二宮の声の後、部屋のドアをノックして章が入ってきた。「失礼いたします。」章は一礼してそう言った。「川越君も忙しいところ時間をとってもらってすまなかったね。まあ座ってください。」吉男の言葉に章は「ありがとうございます。」といって、ソファーにすわった。「それで、山内社長、折り入ってお話というのはどのようなことでしょうか?」「ああ、君の会社に木下雅哉という男がいると思うんだが......。」章は少し驚いた表情をして言った。「ええ、開発部の主任をやっている者ですが.........。」「どのような男なのかな?」章は少し戸惑った。上場企業の社長が下請け会社の社員に興味をもつ理由が章にはにわかにはつかめなかったのである。「ええ、優秀なエンジニアです。非常に仕事熱心ですし、まじめな男です。」章の言葉に吉男は「そうか.......。」と言って少し黙った。「あの......。うちの木下が何か?」やや不安げに聞く章に吉男は言った。「うん、突然なんだが、その男をなんらかの理由をつけて解雇にして欲しいんだ。」章は少しぽかんとした。吉男の言葉が一瞬理解できなかった。「木下を解雇しろと?」「ああ、そうして欲しいんだ。」「その、山内社長が直々に私に頼むというのは、一体どういうことで.......。」「理由を説明しないとだめかい。」吉男の感情を押し殺した声に章は言葉を失った。「理由などどうでもいいだろう。ともかく、なんらかの理由をつけて解雇してもらいたいんだ。もし、開発部の人材が不足しているのならこちらで手配してもかまわない。」「それはできませんという選択肢は......。」「ないよ。君も一つの会社の主ならぼくの言っている意味は理解できるよね。100人の従業員と会社全体の責任を君は負っているんだから........。」吉男の言葉に章は少し混乱した。少し考えた後、「社長の意向はわかりました。なるべく意向にはそうようにいたしますが.....。何分、従業員の雇用の問題ですから少し考える時間をいただけますか?」と答えた。章の言葉に「ふん。」と吉男は言った。
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