Hit数5000超えました。皆様に感謝の気持ちをこめて記念にフラッシュ作成してみました。 →
こちら
Hit数10000超えました。皆様に感謝の気持ちをこめて記念にフラッシュ作成してみました。 →こちら
開設2年目になりました。これを機会に今の産科の危機に関してのフラッシュ作成しました。 →こちら

誤報(1)のエントリーは11月26日付けです。最初から読む方はカレンダーで11月までたどって26日をクリックすると誤報(1),(2)のエントリーに入れます。あとは順々に日にちをクリックしていってください。

(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
花菖蒲(18)
 ご家族をお呼びしお話する。奥様とご長男と次男さん、ご長女
が同席した。挨拶のあと病状の説明を行う。「病状としては
胃癌がお腹の中にばら撒かれた腹膜播種という状態で腹水が
たまっており、後腹膜に這った腫瘍細胞が両側の尿管を詰ま
らせて現在左の腎臓に管を入れてここから尿を出しています。
です。右側の腎臓は現在機能していない状態です。肝臓に転移
した腫瘍も次第に大きくなってきていて病状としては一杯
一杯の状態です。病気に対しての治療と行える状況ではなく
ご本人の苦痛をとる治療に切り替えてきています。明日にでも
急変しておかしくない状態です。」「でも今はなんとか落ち
着いているのですね。」「そうですね、比較的安定した状態
がつづいています。」「主人はどうしても死ぬ前に毛越寺の
菖蒲を見たいといっていますけどなんとかなりませんか...。」
「病状が落ち着いていればやれないことはないと思いますが
かなり危険を伴うと思います。移動時に急変するかもしれない
ですし、結果的に寿命を縮める可能性もあります。その部分を
ご家族が納得していただけるなら方法はあると思います。外泊
時の点滴や腎瘻の管理、痛みが出たときの対応などをご家族に
覚えてもらう必要があります。かなりご家族も大変だと思い
ますがそこまでの覚悟はおありですか?」かなり突っ込んだ
言い方だった。私は奥様の覚悟の程はこれ位で揺らぐものでは
ないだろうと思っていた。いやこれ位の物言いで揺らぐよう
ならもとからやめた方がよいだろう。だが奥様の返事は私の
想像をはるかに超えたものだった。奥様は少し間をおいて
言った。「もとからそのつもりです。子供達ともずっと話
合いました。このまま最後の望みもかなえてあげずに逝か
せてしまっては今後ずっと後悔するにちがいない。出来るか
どうか、それでどうなるかわからない。結果、つらい思い
するかもしれないけど最後のお父さん孝行と思ってなんとか
協力しようと話合いました。責任は私たちが負います。先生
はなにも心配しないで私たちに協力してもらえませんか?」
 予想もしなかった言葉に私は一瞬、虚をつかれた。奥様の
意思と愛情の強さにすがすがしささえ感じた。私は答えた。
「出来る限りの事はさせていただきます。それで申し訳ない
のですが、病院としてはこの外泊は家族が希望して家族が
責任をとるという同意があったことを書面として残して
おかなくてはならないのですがよろしいですか?」「今、
主人を連れて行けると確約してくれるなら悪魔との契約書
でもサインしますよ。先生のお立場はわかります。余計な
気遣いはいりませんから...。」最初は子供達の意見も割
れたという。なにも無理しなくてもという意見もあったら
しい。だが奥様の意思は強く、子供達を説得し、行く予定日
を設定し、仕事も休みをとって父親の(多分最後の)帰郷
に協力する同意を取り付けたという。岩手の知人にも連絡
して向こうでなにかあっても対応できる準備もすすめて
いるのだという。「私が絶対だめだといったらどうする
つもりだったのですか?」私は尋ねた。「先生は絶対だめだ
とは言わないだろうと思っていました。条件をつけてくる
とは思いましたけどね。万が一だめだといってもだまって
病院から連れ出したかもしれませんね。」奥様は微笑みなが
ら言った。
(次回につづく)
スポンサーサイト
【2005/05/26 22:41】 花菖蒲 | トラックバック(0) | コメント(0) |
<<花菖蒲(19) | ホーム | 花菖蒲(17)>>
コメント
コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://nakano2005.blog5.fc2.com/tb.php/80-f88ad2b9
藪医者の独り言


ここに記載されたエピソードは著者の体験をもとに構成したフィクションです。 このページはリンクフリーです。気に入ったら適当にリンクを貼っていただいて結構です。


CALENDER
08 | 2017/09 | 10
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
掲示板(気軽に書き込みお願いします)
RECENT ENTRIES
  • 芝桜の咲く丘(23)(05/25)
  • 芝桜の咲く丘(22)(05/20)
  • 芝桜の咲く丘(21)(05/18)
  • 芝桜の咲く丘(20)(05/15)
  • 芝桜の咲く丘(19)(05/11)
  • RECENT COMMENTS
  • nakano(05/03)
  • (04/30)
  • nakano(04/13)
  • (04/13)
  • KITA(02/01)
  • nakano(05/31)
  • タマ(05/28)
  • RECENT TRACKBACKS
  • 健康、病気なし、医者いらず:医師の秘密漏示(05/03)
  • 健康食品の栄養事典:プロタミンとは(02/22)
  • 医薬品のマメ知識:フルオロウラシルのマメ知識(02/20)
  • 体が元気になるならない物質:プロタミン-体が元気になるならない物質(02/17)
  • オヤジの世界:雪中花(01/04)
  • ARCHIVES
  • 2009年05月 (10)
  • 2009年04月 (13)
  • 2008年11月 (1)
  • 2008年09月 (1)
  • 2008年08月 (1)
  • 2007年07月 (6)
  • 2007年06月 (14)
  • 2007年05月 (18)
  • 2007年04月 (20)
  • 2007年03月 (19)
  • 2007年02月 (17)
  • 2007年01月 (22)
  • 2006年12月 (18)
  • 2006年11月 (14)
  • 2006年10月 (16)
  • 2006年09月 (15)
  • 2006年08月 (16)
  • 2006年07月 (13)
  • 2006年06月 (18)
  • 2006年05月 (19)
  • 2006年04月 (19)
  • 2006年03月 (21)
  • 2006年02月 (19)
  • 2006年01月 (22)
  • 2005年12月 (22)
  • 2005年11月 (24)
  • 2005年10月 (23)
  • 2005年09月 (22)
  • 2005年08月 (17)
  • 2005年07月 (22)
  • 2005年06月 (22)
  • 2005年05月 (24)
  • 2005年04月 (25)
  • 2005年03月 (26)
  • 2005年02月 (9)
  • CATEGORY
  • 春風 (152)
  • 誤報 (135)
  • 管理人雑感 (11)
  • 帰れない老人達 (3)
  • 医者という仕事 (2)
  • 不条理な結末 (7)
  • ブランド病院を求めて (6)
  • 澄んだ青空 (5)
  • 3月の木漏れ日の中で (6)
  • 雨上がりの虹 (10)
  • 桜 (6)
  • 嘘 (14)
  • 花菖蒲 (25)
  • つかめない藁 (34)
  • 百合の花 (15)
  • 約束 (52)
  • 雪中花 (84)
  • 未分類 (1)
  • 芝桜の咲く丘 (20)
  • LINKS
  • ホームページ情報配信メールマガジン「INTERNET SEEK」
  • プログ リンク&人気ランキング
  • 人気blogランキング
  • SEARCH

    PROFILE
    nakano
  • Author:nakano
  • FC2ブログへようこそ!
  • RSS
  • 上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。