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誤報(1)のエントリーは11月26日付けです。最初から読む方はカレンダーで11月までたどって26日をクリックすると誤報(1),(2)のエントリーに入れます。あとは順々に日にちをクリックしていってください。

(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
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花菖蒲(25)
 なんとか無事に帰ってきました。予告通りアップします。
 留守中にも結構訪問者が多くなっていてびっくりしています。
 みなさんどうも訪問有難うございます。もうすぐ20000Hit
です。キリ番取った人はコメント残してくださいね。
 フラッシュは作るつもりでいますが、今週は作れそうな時間
がなさそうなのでアップはかなり先になりそうです。

 7月上旬のある日の夕刻ごろから、彼の呼吸は喘ぎ様となり
昇圧剤は極量まで使用していたが、血圧はすでに計れなくなっ
てきていた。6時すぎに手術を終えて覗きにきたときには一時
的に無呼吸になることもあり、その時がくるのは時間の問題
と思われた。奥様を外にお呼びしお話する。「今晩が山だと
思います。」「そうですか....。」「来られた方がよい方は
呼んでいただいた方がよいかもしれません。」「解りました。」
特に取り乱されることもなく淡々と奥様は答えた。
 残りの仕事をかたずけているとき、院内PHS(医療機器に障害
を与えない病院用の弱い電波のPHS)が鳴った。「先生、○○
さん、心拍数が40台になってます。呼吸もかなり弱くなってきて
います。」「わかりました。」作業を中断して彼の病室に向か
った。すでに彼の家族は揃っていた。脈拍はすでに触れない状
態であり、心電図のモニターに示されるすでに心拍を打ち出す
力を失った心臓の電気信号も完全に止まってしまいそうな様子
であった。奥様は涙ながらに最愛の夫に話しかけた。「あなた。
もう苦しまなくてもいいの。本当によく頑張ったと思うわ。
子供達もみんな独立して立派にやってるし、貴方のことを誇り
に思っているから。私たちのことは心配しなくていいの。だか
らもう苦しまなくていいのよ。私たちのために最後の最後まで
頑張って貴重な一緒の時間を作ってくれた有難う。貴方が本当
に最後まで私たちの為に頑張ってくれたことは私が一番わかっ
ているから...。本当に有難う....。」周りでは子供達がすすり
泣いていた。15で岩手からたった一人で見知らぬ東京へ。つらい
ことも悔しい思いをしたこともあったろう。必死で働きつづけ
3人の子供を育て上げた父親。妻と3人の子供達に愛された父親。
そして家族との貴重な故郷での時間を過ごすためにいつ倒れて
もおかしくない体で愚痴ひとつ言わず頑張り続けた父親。長女
はまだ温かみのある手を握って大粒の涙をこぼし、長男
と次男は唇をかみ締めて漏れ出てくる嗚咽を押し殺していた。
 私は家族の中での彼の存在の偉大さを改めて感じた。奥様は
最後の時にもう「頑張って。」とは言わなかった。彼女はわか
っていたのだ。彼が力の限り最後の時まで家族のために尽くそ
うと努力しつづけていたことを...。これ以上どうして頑張って
などといえようかと感じたに違いない。そして自然に「本当に
有難う。」という言葉がでてきたのだろう...。
 そしてその時が訪れる。心電図のモニターが心臓の電気信号
が途絶えたことを示した。私は静かに聴診器を胸に当て心停止
と呼吸停止を確認し、ペンライトで瞳孔が散大していることを
確認した。「よく頑張られましたが、7月○日、午後○時△分、
死亡確認とさせていただきます。」奥様は涙ながらに答えた。
「本当にお世話になりました。有難うございました。」
 彼の遺体を見送った時、彼の笑いながら私に話しかけたこと
が思い出された。「先生。毛越寺の花菖蒲は本当に見事なん
だ。一回見に行ったらいいよ...。」「うーんちょっと遠い
ですよね..。6月~7月ですか..。なかなか休みもとれないし。
でも行ってみたいですよね。」「俺が生きてる間は無理そう
かい。」「またそういうことを言うんだから...。僕が行った
て報告するまでまだ死なないでくださいよ。」「わかった
わかった...。」彼は最後まで私に泣き言を言わなかった。本当
に強い人だったと思った...。

(「花菖蒲」終わり)
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【2005/06/05 21:39】 花菖蒲 | トラックバック(0) | コメント(10) |
<<つかめない藁(1) | ホーム | 花菖蒲(24)>>
コメント
医療便場にいて感じるコト
人が最期の時を迎える形はさまざまで、その時まわりには誰がいるか、などによってその人の人生がどういうものであったかを表しているような気がします
自分の時はどうあるか。。。

うちの病棟でも家族の協力があって、ギリギリまで自宅で過ごした患者サマがおりました
「家はいい」と言っていた言葉がとても印象に残っております
本人の希望で訪問看護なども介入させず、それを支えて実現した家族は素晴らしいと思いました
とてもいいお父さんだったのだと思います

今回はとても良いお話をありがとうございました
【2005/06/06 09:38】 URL | mimimi #-[ 編集]
本当に強い人って、黙っていても何かしら周囲に影響を与える…そんな気がします。今回のお話も、最後は患者さん亡くなってしまうわけで悲しいんですけれど、とても強い余韻を心に残してくれました。多分この話は一生忘れないと思います。
最後に出てくる患者さんと先生の会話、いいですね。こんな話が出来る関係ってすばらしいと思います。
どうもありがとうございました。
【2005/06/06 12:15】 URL | punipunipyonpyon #-[ 編集]
奥様と言い、患者さんご本人と言い、家族がお互いを想いあい、最後まで大切に時間を過ごしていった様子がとてもよくわかりました。
じーんと来ました。

先生という立場、患者さんという立場、時には遠く、また近い時もあると思います。でも信頼なくしては、病と闘うことはできないですものね。
きっとこのご主人も先生にありがとうって、天国でおっしゃっていることでしょう。
先生、お疲れ様でした。
【2005/06/06 21:01】 URL | 月うさぎ #-[ 編集]
 皆様コメント有難うございました。

>人が最期の時を迎える形はさまざまで、その時まわりには誰がいるか、などによってその人の人生がどういうものであったかを表しているような気がします

 私も同感です。結局最後の時にその人が周りの人々になにをしてあげられたかが如実に現れるような気がします。この方は家族にとってやはり偉大な父親であったのだと思います。

>先生という立場、患者さんという立場、時には遠く、また近い時もあると思います。でも信頼なくしては、病と闘うことはできないですものね

 そうですね。基本的には患者さんの人生であり患者さんの体のことですから最終的には患者さん自身が適切な判断を下していってもらわなくてはなりません。(本人に判断能力がなければご家族に判断していただくわけですが..。)我々医療者はそのお手伝いがうまくできるように努力するわけです。今は医者を悪者にする風潮が強いですが、基本的に医者と患者の利害は一致するはずで(患者さんの快方が医者の目的であるはず)本来は戦友であるはずだと思っています。患者さんと医療者の関係が良好なものでありつづけて欲しいと願う今日このごろです。

 みなさまコメント有難うございました。今後も読むのがつらいような話もアップすることもあると思いますがひきつづきご高配のほどお願い申し上げます。
【2005/06/06 23:02】 URL | nakano #-[ 編集]
先生の患者さんは故郷に帰ることができてよかったですね。私も似たような患者さんが以前いらっしゃいました。郷里から20歳ごろにでてきて自営業を営んでらっしゃいました。仕事からのmalignant mesotheliomaによる胸水貯留にて受診されました。40歳と若く一度は胸膜剥離術を施行されたのですが、再発されました。本人は手術前より「再発すればいわくつきで出てきて一度も帰れなかった故郷の浜辺に一度だけ帰りたい」とおっしゃっていました。彼は故郷に帰る準備をしようとしましたが妻が会ったこともない親戚と会いたくないし、面倒くさいとの言葉で強固に反対され説得したのですが故郷を見ることはかないませんでした。私はいまだに心残りでなりません。
【2005/06/07 17:13】 URL | Kitai Ishibashi #-[ 編集]
 Ishibashi先生コメント有難うございました。

 最後の時を病院のベットにしばられたままでなく患者さんが一番過ごしたいと思う場所で過ごさせてあげたいという思いは医療者であれば誰しもが思うことだと思います。(ましてやつらい手術を乗り越えて得られた貴重な時間であればなおさらですが..。)しかし残念ながらその願いがかなうことはまれだと思います。「帰れない老人達」で述べたように最後の時は家族にとってお荷物で家に帰る場所がないと言う人も大勢いらっしゃいます。多分、今の時代、残念ながら今回のお話の様にできる人は稀だと思います。かつては大家族制で女の人が家にとどまり介護を背負って家で黙々と頑張って高齢者をみていたわけですが、いまや核家族で共働きで家族はばらばらの状態のところがほとんどで皆が自分の生活のことだけで精一杯というご家族が多いと思います。介護するマンパワーがない状態であるわけです。ある日、患者さんに「病状について説明させていただきたいのでこの日のこの時間にきてもらえるように連絡してもらえますか?」と聞いたら「息子は仕事でこれないよ。」と答えられたので私が「でもお母さんの一大事なんですよ?仕事とお母さんの一大事とどちらが大切か考えればなんとか都合つけるでしょう?」といったらその患者さんは「そんなの仕事にきまってるわな。」と笑いながら答えられたときはなんとなく寂しさを感じました。「長生きしたっていいことなんかなにもないよ。」などとおっしゃる方もいらっしゃいました。そんな話を聞くといったい我々はなんの為に何をしているのだろうと思ってしますこともあります。そんなご時世だからこそ今回の患者さんは私にも眩しく写ったことを覚えております。

 長々とすいませんでした。重ねて貴重なコメント有難うございました。ひきつづき先生の鑑賞に耐えられるブログとするよう努力させていただきたいと考えております。
【2005/06/07 22:47】 URL | nakano #-[ 編集]
「腹膜播種」を調べる中で、このブログを拝見しました。素晴らしいお話に心が揺れました。
「腹膜播種(余命一年)」と診断された患者の家族に対し、何かアドバイスをいただけないでしょうか?
私は、親戚のものです。
宜しくお願い致します。
【2005/06/17 19:24】 URL | CH1 #eHP7HEy2[ 編集]
 CH1さんコメント有難うございました。

 腹膜播種というだけではなんともアドバイスするのには情報不足だと思います。もともとどこの癌からの腹膜播種なのかによっても状況はかわりますし、現在の患者さんの診察をしたわけでもないので無責任にコメントすることはかえって混乱を招く可能性があるので控えさせていただきたいと思います。また大勢の見知らぬ人々が見ているネット上で非常にプライバシーに関わる病状についてのやりとりをするのもあまり好ましいことではないと考えます。。(申し訳ないですが...。実はこのブログのお話も実話に基づいていますが、個人が同定されないように微妙に患者さんの年齢を変えたり、病院の場所が同定されないように極力、特徴的な地域がわかる事柄は記載しないようにしたり、私自身も匿名でブログをやっています。《主治医が同定されると患者さんも同定されるおそれがあるため》それは病気の情報というものは非常にプライバシーに関わる事項であり第三者に当事者が同定されることがないようにしなくてはならないという配慮からです。CH1さんのご親戚の方のプライバシーを尊重するとこのような返事になってしまうことをお許しください。)

 その上で限られた情報からのアドバイスということで聞いていただければと思います。腹膜播種であれば予後はやはりかなり厳しいと思います。腹膜播種で余命が1年というのは比較的長い感じがします。子宮ガンなどの比較的抗癌剤が効くという見込みのある癌なのかもしれません。治療としては抗癌剤での治療を継続することぐらいしかありません。残された貴重な時間をどう使わせてあげたらよいか考えてあげてください。まだ外出が可能なら短い旅行も悪くないでしょう。

 ご親戚の方の病状の進行ができるだけ遅いことをお祈りしています。あまりいいアドバイスになっておらず申し訳ありません。CH1さん重ねてコメント有難うございました。
【2005/06/19 00:06】 URL | nakano #-[ 編集]
nakanoさま

ブログの趣旨に則さない書き込みに対し、
ご丁寧なコメントを頂き、本当に感謝しております。
私自身、そういった状況の親戚と、どう接すれば良いのかに迷っており、
とっさに書き込みをしてしまいました。
nakanoさまが仰る通りだと思います。
申し訳ありませんでした。

限られた情報に対して頂きました貴重なアドバイスや、
その他入手できた情報を元に、前向きに親戚と接したいと思います。

本当にありがとうございました。

また、これからも素晴らしいブログを積み重ねてください。
多くの方々が前向きに生きるためのキッカケを見つけられると思います・・・
【2005/06/19 08:41】 URL | CH1 #eHP7HEy2[ 編集]
 CH1様、ご丁寧なお返事有難うございました。私の意図をご理解していただけて安心いたしました。

>また、これからも素晴らしいブログを積み重ねてください。
多くの方々が前向きに生きるためのキッカケを見つけられると思います・・・

 過分なお言葉、光栄です。自分ではまだまだだと思っておりますが、これからもCH1様のご期待に沿えますように努力いたしますのでひきつづき宜しくお願いいたします。
【2005/06/19 20:07】 URL | nakano #-[ 編集]
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