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(モデルにさせていただいた誤報事件に関しての2chの過去ログ保存していたものアップしました
医者板の過去ログ→こちら
ニュース速報+板の過去ログ→→こちら
この事件の理解の参考となれば幸いです。当時の記事などが引用されている部位もありますのでm3掲示板も閉鎖された今、資料として貴重なものとして保存してあります。)
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約束(49)
 Sに母親の病状を話してから極力、S夫婦は母親
につきそうようになった。S自身は兄弟がいなかった
し、結婚したばかりのYの兄弟に付き添うように頼む
のも少し気が引けたのかもしれない。2人がつきそう
しかなかったのだが、仕事を休めば職を失うか
もしれないこのご時世で、共働きで生活をたてる
S夫婦が24時間付き添うことは難しかった。しかし
ながら2人は夜間は交代で病院に泊まってSの母親に
付き添った。ある夜に彼女の病室に回診にいくと
Sが付き添っていた。Sの母親の診察を終えて、
私はSに声をかけた。「いつもご苦労様。毎晩奥さん
と交代とはいえ、大変じゃないかい?」Sは言った。
「大変ていえば大変だけど、今俺ができる精一杯の
ことだからな……..。なあnakano。お袋が俺にして
くれたことに比べればこんなの当たり前だと思う。
どんなときもお袋はこんな小さい体を張って俺を
守ってくれたんだ。昔は全然それに気がつかなかっ
た時期もあったけどな。
何の見返りも求めずに精一杯守ってくれたお袋に
俺は一体、何をしてやれた?何にもしてやれてない
んだ。何にもだ。情けないったらありゃしないよ。」
私は言った。「そんなことないさ。君が昔の不良
からしっかり立ち直ってくれてお母さんすごく喜んで
いたよ。立派な結婚式もあげて安心させてあげら
れたんだ。そんなに自己卑下する必要はないと思う
よ……。」Sは少しだまってから言った。「気遣って
くれて有難う、nakano。いつも変な心配かけて
すまないな……。」「そんなことないさ。まだ長丁場
になるかもしれないし、ばてないようにしてくれよ。」
「わかってるさ、nakanoもご苦労さん。」Sの返事を
聞いてからSに軽く会釈をして私は病室をでた。
その後、Sの母親の病状といえばあまり芳しい状況
ではなかった。次第に血圧が低下していき尿量も減少
している状態で、再度の回復は困難であろうと考えら
れた。
 そしてその時は訪れることになる。ある日の午前
中、外来をやっていた私に病棟から連絡が入る。

 「検査の結果ですけど、前回の採血で腫瘍マーカー
の値は…..。」外来の患者さんに説明をしている時
に院内の医療用PHSが鳴る。私は患者さんに
すいませんと一言言って、話を切った後、電話を
とった。
 「もしもし、nakanoだけど…..。」「ああ先生。
外科病棟なんですけど、Sさんの呼吸がほぼ止まって
心拍も低下してきているんですけど…..。」「わかり
ました。ご家族は連絡ついた?」「ええ、今連絡
しました。息子さんは15分くらいでこれるそうで
す。」「わかりました。すぐ上に上がります。」
 私は説明途中の患者さんを失礼のないように気を
つけながら急いで一段落つけたあと、外来を一旦ス
トップして、他の先生でもよさそうな外来の患者さ
んは他の先生の外来に回ってもらうように外来の看
護師に頼み、急ぎ足で病棟に向かった。

(次回につづく)
【2005/10/23 19:02】 約束 | トラックバック(0) | コメント(2) |
約束(48)
 約束の時間にS夫婦が訪れた。私は彼らを面談室
に通して話を始めた。「どうも突然呼び出して申し訳
なかったけど。」Sは言った。「そんなことはな
いさ、昨日からお袋、調子わるそうだったからな。」
「そうなんだ。今日になって意識もボーっとして
きているし、熱もつづいている。呼吸状態も悪く
なってきているしどうも良くない状態なんだ。肺炎
がまた悪化しているんだとは思うけど、肺の転移
巣自体も大分大きくなってきている。今朝になって
から血圧も低下してきているし、ちょっと厳しい
状態であるのは間違いない……。」Sは言った。
「そうか…..。それで良くなる見込みはあるのか?」
私は少し間をおいて答えた。「正直、今回はかなり
厳しいとおもう。下手するとここ数日で急変も充分
にありえると思う。意識がこのまま戻らないかも
しれない。こんな話で本当に申し訳ないが…..。」
 Sは言った。「そんなことないさ。お袋もよく
頑張ってくれたしな。覚悟は俺たちもできては
いるから……。」「そうか……。それで肺炎になった
時にも話はしたけど、急変時は本人が苦痛になる
蘇生処置はしない方向でいいかな…..。」Sは言った。
「もう充分だよnakano。お袋は充分頑張った。
これ以上苦しませる必要はないよ。本人が苦しむ
ような治療はもうしなくていいから……..。
 俺達の結婚式まで苦しい中頑張ってくれたし
もう充分だよ…..。」Sの声は少し震えていた。
 病気が見つけられて手術が行われてから2年の
年月が経過していた。この闘病を側で見続けて
きたSの母親への想いが切ないほど伝わってきた。
 
(次回につづく)

 どうも皆さん週末はいかがお過ごしですか?昨日は
そこそこ忙しくて少しバテ気味ですが、明日は休める
のでゆっくりして家族サービスにつとめる予定です。
【2005/10/22 23:58】 約束 | トラックバック(0) | コメント(2) |
約束(47)
 その後、数日は彼女の病状はよくなったり悪く
なったりを繰り返していたが概ね状態は落ち着い
ていた。調子のよいときは車椅子で少し外出した
りもできていた。S夫婦も毎日のように病院に
顔をだしていた。平穏に時が経過していたが、
ついに転機が訪れることになる……。

 ある日の夕方に彼女は突然、39度の発熱が
出現した。看護師からの上申をうけて私は彼女
の診察にいった。彼女は少しボーっとした感じ
になっていた。「Sさんどうも。熱が出たようで
すね。」「そうですね、昼から突然発熱して….。
息苦しさもあります。」少し朦朧とした感じがあ
ったが彼女は答えた。痰も多く、肺の音もあまり
よくなかった。肺炎の再燃と考え、痰の培養と
血液の培養を出し、抗生剤も変更して様子をみる
ことにした。その日の夜に回診にいくと彼女の
意識はそんなに変わりなかったが、少し血圧
が低下しているのが気になった。「大丈夫ですか。
苦しくないですか?」と私が聞くと、彼女は
「今のところは苦しくないですよ。」と答えた。
 発熱は相変わらずつづいていた。次の日に
採血の再度の検査と胸部のレントゲンの検査の
予定にして、この日は今の治療で経過をみる
ことにした。翌日、彼女の病室にきてみると
彼女の呼吸状態はあえぎ様となっており血圧
も低下してきていた。私は昇圧剤の使用を開始
することとして、病状の悪化についてSに話を
しなくてはならないと考え、看護師にSに連絡
をとってもらうことにした。

(次回につづく)

明日は当直になります。更新お休みしますが
適当に遊びにいらしてくださいね。
【2005/10/20 23:53】 約束 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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藪医者の独り言


ここに記載されたエピソードは著者の体験をもとに構成したフィクションです。 このページはリンクフリーです。気に入ったら適当にリンクを貼っていただいて結構です。


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